28: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/16(金) 18:02:38.01 ID:eLOLjL7n0
せつ菜「出てきなさい──デンジュモク」
「────ジジジジ」
千歌「2匹……目……?」
せつ菜「今の私は……貴方よりもたくさんの──『特別』を持ってるんです……」
私はへたり込んでしまった。
今の私の想いじゃ──せつ菜ちゃんの心に、届かない……。
せつ菜「──“でんじほう”」
「──ジジ、ジジジジ」
巨大な電撃の砲弾に、バクフーンもろとも飲み込まれて──私の視界は、フラッシュアウトした。
🎙 🎙 🎙
千歌「…………」
気を失った千歌さんを見下ろす。
果林「せつ菜、今の気分はどう?」
せつ菜「……あっけない。こんなものなんですね……」
果林「……そう」
せつ菜「…………」
……やっと、千歌さんに勝利したが──すがすがしい気分とは言い難かった。
せつ菜「……どうすればいいですか」
果林「ん?」
せつ菜「彼女の身柄が欲しかったんでしょう?」
果林「あら……まだ手伝ってくれるのね」
せつ菜「力をくれたんです。義理は……通します」
果林「……そう、ありがとう」
せつ菜「それに──もう、帰る場所なんて……ありませんから……」
果林「……そう」
私は千歌さんを背負い──目の前に現れたホールに向かって歩き出す。
──そのときだ。
フィールドに倒れていた、ルガルガンとバクフーンが──
「ワ、ォォンッ!!!!」「バク、フーーー!!!!!」
せつ菜「……っ!?」
私は驚き、背負っていた千歌さんが滑り落ちる。
最後の力を振り絞って、こちらに向かって飛び掛かってきた──と、思ったら。
──パシュンと音を立てて、千歌さんの腰についたボールの中に戻っていった。
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