27: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/16(金) 18:01:52.48 ID:eLOLjL7n0
振り下ろされる、陽光の剣に向かって──バクフーンが口から業炎を噴き出す。
陽光のエネルギーを押し返すように、燃え盛る爆炎。
だけど、振り下ろされる剣は、炎を斬り裂きながら、迫る。
──『……自分は『特別』を使うのに……それなのに、私が『特別』を使うことは許さないんですか!?』
私──『特別』に選ばれたから、チャンピオンになれたのかな。
わかんない。……自分が『特別』だなんて、考えたこともなかった。
初めてのバトルで、梨子ちゃんに負けたあの日、『強くなろう』って、そう決めて、ただ必死に我武者羅に歩んできただけのつもりだった。
一歩一歩みんなで歩いて、新しい力を手に入れたらみんなで喜んで、終わったらまた新しい何かを掴むためにまた進んで……。
でも……違ったのかな……。私はただ、『特別』に選んでもらったから、ここにいるのかな。
わかんないよ、そんなこと……。
わかんない──……でも、それでも……。そうだとしても──
せつ菜「…………」
──あんなに悲しそうな顔でバトルをするせつ菜ちゃんを、放っておいていいはず──ない!!!
千歌「バクフーーーーンッ!!!!! いけぇぇぇぇ!!!!!!!」
「バク、フーーーーーーンッ!!!!!!!!!!!!!」
私の心に呼応するように、バクフーンの背中の炎が燃え盛り──火炎の勢いが一気に増す。
せつ菜「……!」
勢いを増した炎は──陽光の剣さえも凌駕し、
千歌「いけぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
「バクフーーーーーーーーーーーーンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
全てを爆炎で飲み込んだ。
──お互いのエネルギーがぶつかり合い、その余波でフィールド全体に熱波が吹き荒れる。
千歌「……っ!!」
バクフーンにしがみついて、耐え……爆炎が晴れると──
「────」
その先に、黒焦げになったカミツルギがいた。
黒焦げになったカミツルギは間もなく──石畳の上に崩れ落ちた。
せつ菜「…………」
千歌「…………はぁ……はぁ……」
せつ菜「…………」
せつ菜ちゃんをウルトラビーストから、解放した。
これで──
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