26: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/16(金) 18:01:14.17 ID:eLOLjL7n0
千歌「……っ」
床に伏せる私に向かって、
せつ菜「……早く立ってください」
せつ菜ちゃんが冷たく見下ろしながら、言葉をぶつけてくる。
千歌「せつ菜……ちゃん……」
せつ菜「ほら、出してくださいよ──バクフーンを」
千歌「……っ」
私はバクフーンのボールに手を掛ける。
だけど──手が震えていた。
──『圧倒的な力でねじ伏せて、あざ笑うかのように。『特別』な技で、『特別』なポケモンで……』──
千歌「……っ」
あのとき、本当はどうするべきだったのか、わからなかった。
どうすれば、せつ菜ちゃんを傷つけない──ポケモンバトルの楽しさを伝えられる、チャンピオンであれたのか。
今更考えても、後悔しても、どうにもならない。
でも、
千歌「……行けっ!! バクフーンッ!!」
「──バクフーーー!!!!」
せつ菜ちゃんをこのままにしちゃいけない。
私がせつ菜ちゃんを止めないと……!!
せつ菜「あはは……! やっと出しましたね、貴方の『特別』……!」
また傷つけちゃうかもしれないけど、それでも──このままじゃ絶対によくないから……!
千歌「バクフーーーーンッ!!!!」
私の腕のZリングが光る。
“ホノオZ”のエネルギーをバクフーンに送ろうとした、瞬間──
私は、
果林「…………へぇ」
果林さんを見てしまった。
──『圧倒的な力でねじ伏せて、あざ笑うかのように。『特別』な技で、『特別』なポケモンで……』──
千歌「……っ!!」
また、彼女の言葉がフラッシュバックした瞬間──私の腕の“ホノオZ”は輝きを失っていく。
──出来なかった。今、この技を撃つことは……出来ない。
せつ菜「カミツルギ!! “ソーラーブレード”!!」
千歌「──“かえんほうしゃ”っ!!」
「バクフーーーーーンッ!!!!!!」
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