235: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/23(金) 12:44:36.82 ID:gk2TE+8k0
理亞「私はグレイブマウンテン北部の小さな集落の出身なの」
侑「じゃあ……」
理亞「滅んだ国の生き残り……かもしれないとは思ってる。集落にいた私自身も、自分のルーツをあまり知らないまま生きてきたから……それが知りたくて調べてる」
リナ『じゃあ、理亞さんは……正確にはオトノキ地方出身の人じゃないんだね』 || ╹ᇫ╹ ||
理亞「そうなる。……だから、私も最初はジムリーダーになるつもりはなかった。……ただ、ちゃんと調べるには立場があった方が何かと都合がいいからって……ルビィと希さんに薦められて……」
侑「…………」
私は理亞さんの話を聞いて──理亞さんがあまり公の場に姿を現さない理由が少しだけわかった気がした。
謎多きヒナギクジムのジムリーダーの理亞さんだけど……3年ほど前に希さんの四天王昇格で新ジムリーダーが着任したヒナギクジムは、つい最近になるまでジムリーダーが誰かを公表していなかった。
一応ジムリーダーがいることはわかっていたけど……新ジムリーダーはジムチャレンジャーとのバトルのみを行い、他の権限は四天王になった希さんが持ち続けるというかなり異例なジムリーダーだった。
今でこそ、正ジムリーダーとして全ての権限を持っているけど……もしかしたら、理亞さんの心の中には、後ろめたさのようなものがあったのかもしれない。
自分はオトノキ地方の人間ではないのに、オトノキ地方のジムリーダーになっていいのかという……そういう迷いが……。
理亞「……でも、今はちょっと違う」
ただ、私のそんな考えに答えるかのように、
理亞「今は……一人のジムリーダーとして、オトノキ地方のために何が出来るか……考えてるつもり」
そう答えながら、足を止める。
気付けば私たちは──グレイブマウンテンの麓にたどり着いていた。
理亞「……正直……普通のトレーナー相手に……本気を出していいのか、悩んでたけど……。……少し事情が変わった」
侑「……?」
理亞「……あなたが、ねえさまを助けるための作戦に……支障がない実力を持っているのか……確かめる」
理亞さんはそう言ってボールを構える。
理亞「フィールドは、グレイブマウンテン全域……! ただし、グレイブガーデン側に逃げるのは絶対禁止……」
侑「は、はい……!」
理亞「それ以外のルールはない……準備はいい?」
侑「……はい!」
「ブイ!!!」
理亞「……ヒナギクジム・ジムリーダー『無垢なる氷結晶』 理亞。全力で行くから……!」
放たれるボールと共に、私の最後のジム戦が──始まった……!!
🎹 🎹 🎹
理亞「マニューラ……!」
「──マニュッ!!!」
理亞さんの1番手はマニューラ。
対する私の1番手は、
侑「行くよ、イーブイ!」
「ブイ!!」
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