234: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/23(金) 12:44:01.05 ID:gk2TE+8k0
果南「こおりタイプのエキスパートだけど……本気の手持ちはこおりタイプだけじゃないよ」
侑「! そうです! そういうの聞きたいです!」
エキスパートタイプを持つジムリーダーだけど……実は人によっては本気の手持ちはエキスパートタイプ以外を使っている人も少なくない。
今のジムリーダーで言うなら、ルビィさん、凛さん、花陽さん、曜さんは公式大会ではエキスパートタイプ以外のポケモンを使っている。
逆に真姫さん、英玲奈さん、にこさんなんかは公式戦でもエキスパートタイプを使うことを好む人たちだ。
本来、タイプが事前にわかるジム戦はある程度の対策を立てられるけど……今回は本気の手持ちを使ったバトルである以上、どんなポケモンを使ってくるかわからないどころか、どんなタイプを使うかすらわからない状態。
だからこそ、事前に使用ポケモンがわかるだけでも、話は全然変わってくる。
果南「んー……って言っても、私も理亞ちゃんのポケモンには全部は知らないんだよね。確かマニューラとチリーン……あとはクロバット、リングマは持ってたかな」
侑「そこまでわかれば十分です……!」
果南「そう? ならよかった。……まあ、後のことは本人に会って確かめるしかないね──」
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そんなやり取りがあったため……理亞さんが考古学者ということを知っていたというわけだ。
理亞「まあ……考古学って言うけど……基本はグレイブマウンテン以北を調べてるだけ」
リナ『確かにグレイブマウンテンはポケモンの化石が出てくるから、歴史的価値の高い場所だって言われてる』 || ╹ ◡ ╹ ||
理亞「私は古生物学者ではないから……あんまり化石を調べたりはしないけどね」
侑「じゃあ、グレイブマウンテンで一体何を……?」
私がそう訊ねると、
理亞「……グレイブマウンテン以北には、かつて国があったって言われてるの」
理亞さんはそう話し始める。
理亞「ただ、その国は……あるときを境にパタリと歴史から姿を消して……今は、滅んだ国と関係があるのかもわからない、小さな集落が点在するだけになった」
侑「そ、そうなんですか……?」
そんな話全く知らなかった……。歴史の授業でもそんなことは習わなかったと思う……。
理亞「知らなくても無理はない。……つい最近までは、そこに滅んだ国があったことさえ知られてなかったらしいから」
侑「あったことを知られてなかった……?」
リナ『遥か昔、オトノキ地方はある王家の一族が治めていて、その王家は北方の国と戦った……って歴史があるんだけど、長年その敵国が正確にどこにあったのかはわからなかったんだって』 || ╹ᇫ╹ ||
侑「あ……オトノキ地方に王家があったって言うのは聞いたことあるかも……」
歩夢がその時代の話を題材にした、小説を読んでいた気がする。
……内容は戦争史というより、貴族の色恋のお話だったけど……。
理亞「……この地方ではヒナギク開拓後、グレイブマウンテンまで調査の手を伸ばした際に──山の北側から麓に掛けて、雪の下から大規模な集落の痕跡やお墓が見つかった。そのときにその敵国が山を越えたすぐ先にあったことがわかったらしい」
侑「それじゃ……理亞さんはそれを詳しく調べるために、考古学者に……?」
理亞「調べるというか……故郷のことだから。知っておきたいって思っただけ」
侑「……え? 故郷……?」
故郷という言葉に私は目を丸くする。
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