233: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/23(金) 12:43:19.32 ID:gk2TE+8k0
侑「す、すみません……遅くなって」
理亞「別に、遅いとは言ってない」
そうぶっきらぼうに言うと、理亞さんはジムに背を向けたまま歩き出す。
理亞「ジム戦は別の場所でやるから」
侑「は、はい」
理亞さんはヒナギクの町をすたすたと北上していく。
侑「この先って……」
リナ『グレイブマウンテンだね』 || ╹ᇫ╹ ||
以前、雪崩に巻き込まれたしずくちゃんを助けに行った場所だ。
私たちの会話が聞こえていたのか、
理亞「ジム戦はグレイブマウンテンでやるから」
理亞さんはそう簡潔に回答する。
侑「ぐ、グレイブマウンテンで、ですか……?」
理亞「そう。ジム戦はこっちが場所を指定していいって言われてるし、私はあそこで戦うのが一番力を出せるから」
あんな険しい山が一番だなんて……とも、思うけど……。
侑「……理亞さんって、確か普段は考古学者としての仕事をされてるんですよね……?」
理亞「……よく知ってるのね。誰かに聞いたの?」
侑「は、はい。果南さんに……」
理亞「……なるほどね」
私はローズで果南さんから聞いた話を思い出す……。
──────
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──
果南「──理亞ちゃんがどんな人か知りたい?」
侑「は、はい……私、ジムリーダーのことは大体知ってるんですけど……理亞さんのことだけはよく知らなくって……」
果南「あーまあ、理亞ちゃんって最近までジムリーダーやってることも非公表だったからね。公式戦もジム戦以外ですることもないし……」
……そう、私は他のジムリーダーに関しては──クローズドジムリーダーの花丸さんを除けば──大体のことを知っているつもりだけど、理亞さんについてはほとんど何も知らない……。
何故なら、彼女は他のジムリーダーと違って、公式大会にも出場しないし、公の場に滅多に姿を現さないからだ。
でも、戦いを前に一切の前情報がないのも不安だし……。果南さんなら何か知っているかもしれないと思って、訊ねてみたというわけだ。
果南「んー……そうだなぁ……理亞ちゃんは……考古学者さんだよ」
侑「考古学者……?」
果南「そ。グレイブマウンテンとか、その周辺について調べてるみたいだよ。詳しいことは私もよく知らないけど……。……って、そもそも聞きたいのはこういうことじゃないか」
侑「は、はい……まあ……」
理亞さんが考古学者というのも気になるんだけど……今知りたいのはそういうことよりも……。
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