180: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/21(水) 15:13:56.93 ID:/nLmInIK0
真姫は菜々の母親の言葉に驚いたように目を見開く。
菜々母「私は……私たちは……菜々のことを全然見ていなかった……。……私たちには戦う力がありません。……だから、こんなことになってしまった今、菜々にしてあげられることは何もない、ただ待つことしか出来ない。……だけど……せめて……あの子が心の底から大事に思っていたものを、大好きだと思っていたものを……ちゃんと見ないといけないんじゃないかって……そう思ったんです。今更、遅いのかもしれませんが……」
菜々の母親の言葉に、真姫は、
真姫「……是非、そうしてあげてください……きっと、菜々は両親がそう思ってくれただけで、喜ぶはずだから……」
そう返す。
真姫「海未、ポケモンリーグのバトルビデオ……本部なら残ってるわよね?」
海未「もちろんです。後日、リーグからこちらに送らせていただきます」
菜々母「ありがとうございます……。……あの人にも、一緒に見てもらうようにお願いしてみます……あの子の……大好きなものを……。あの子にとっての……大切なものを……」
菜々の母親の言葉を聞いて、真姫は力強く頷いた。
真姫「あの子は……菜々は、絶対に私たちが連れて帰ります……! だから、待っていてください……!」
菜々母「はい。菜々のこと……どうか、よろしくお願いします……っ……」
菜々の母親は、最後にもう一度、深々と頭を下げて、私たちにそう懇願するのだった。
🏹 🏹 🏹
ナカガワ宅を後にし、ローズの街を歩く最中、
真姫「……私も……ダメね」
真姫がそう零す。
海未「どうしたんですか、突然」
真姫「……私も人のこと言えないなって……。……菜々のご両親は、絶対に話を聞いてくれるはずないって……勝手に決めつけて、せつ菜のことをずっと隠していた……。……今になって考えてみたら、もっとやりようはあったんじゃないかって……」
海未「気持ちはわかりますが、今言っても仕方ありません……。それに、今私たちにはやるべきことが山積みです。……悔やむのは全てが終わってからにしませんか」
真姫「……そうね。……ごめんなさい」
そうだ。私たちにはやるべきことがたくさんある。
海未「……そういえば、侑とかすみは今どうしているんですか? ローズジム戦には勝利したと報告は受けましたが……」
真姫「今は果南が出した課題をこなすために、カーテンクリフを登っているみたいよ」
海未「それはまた……果南らしい、課題の出し方ですね……」
彼女の教え方は非常に大雑把だ。
一つ一つ問題点を解決するというよりは……とにかく、やらせて伸ばすというか……。
しかも、そのやらせる内容はかなり無茶なことが多い。
確かに、それをこなせれば相応の自信と実力を付けられるものになっているのには間違いないのだが……。
海未「大丈夫でしょうか……」
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