177: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/21(水) 15:11:41.29 ID:/nLmInIK0
かすみ「ありがとうございます……。……それにしても……ここの野生ポケモン……強いですねぇ……」
侑「ホントに……」
やっと尾根まで登り切って、急勾配に苦しめられることがなくなったと思った矢先──野生ポケモンたちが次々と襲い掛かってきて、それの撃退にてんやわんやだ。
かすみ「ここまでで何匹と戦いましたっけ……今戦ったセキタンザン、ボスゴドラ……ニドキング、ドンファン、ハガネール……」
侑「ゴローニャ、ダイノーズ、チャーレムにバクオング……」
かすみ「はぁ……ポケモンたちは“げんきのかけら”で回復できますけどぉ……かすみん、もうさすがに疲れましたぁ……早く帰りたいぃ……」
侑「まあまあ……その成果は出てるからさ」
かすみ「成果……?」
そう言いながら、私はドロンチを見る。
すると、ドロンチは体をぶるぶると震わせていて、次の瞬間──カッと光り輝く。
かすみ「わ!? こ、これって……!」
侑「うん!」
「──パルト…!!!」
侑「戦って得た経験値で、ドロンチがドラパルトに進化したよ!」
「パルト♪」
侑「確実に私たちの力にはなってる。だから、この調子で頑張って進もう」
かすみ「……わかりました。弱音吐いてる場合じゃないですもんね……!」
一緒に戦っていたポケモンが目の前で進化するというのは、少なからず、かすみちゃんにやる気と勇気を与えてくれたようだ。
侑「もう尾根も半分くらいまでは歩いてきたと思うからさ。あと半分、頑張って進もう」
「ブイ」
かすみ「はーい! 頑張ります!」
「ガゥ」
私たちは真っ赤な夕焼け空の中、再び歩き出す。
日が落ち切る前に、少しでも進んでおかないとね──
🏹 🏹 🏹
──さて、私が忙しなくコメコからローズへと来たのには、もちろん理由があります。
それは……説明をしなくてはいけない方たちのもとへと訪れたから……。
マンションの一室で、テーブルを4人の大人が囲っていた。
もちろん、1人は私。……そして、もう1人は──真姫です。
並んで座る私たちの向かいには──
菜々父「…………」
菜々母「…………あ、あの……それで、お話とは……」
神妙な面持ちのナカガワ夫妻の姿。特にご主人の方は、何か心当たりがあるのか、重い表情をしているように見てとれた。
──ここは菜々のご実家。菜々のご両親に事情の説明をしに来たということです。
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