171: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/21(水) 15:06:26.74 ID:/nLmInIK0
エマ「……行くときは……一言言ってくれるって……約束したのに……」
彼方「エマちゃん……」
海未「……」
全員が無言になった部屋の中、突然──prrrrとコール音が響く。
海未「……私のポケギアです。少し失礼します」
海未ちゃんがそう言って部屋を出ていき、私はエマちゃんと二人きりになる。
エマ「…………彼方ちゃん」
彼方「なにかな」
エマ「……果林ちゃんは……悪い人なのかな……?」
彼方「……どの立場から見るかによるとしか、言えないかな……」
エマ「果林ちゃんは、何をしようとしてるの……?」
彼方「……具体的にどうするかはわからないけど……この世界を滅ぼすつもり……だと思う。少なくともわたしはそう聞いてた」
エマ「…………そんなことしないよ、果林ちゃんは……」
彼方「……エマちゃん」
エマ「…………」
再び静寂に包まれる。
しばらく、二人で無言のまま過ごしていると、海未ちゃんが部屋に戻ってきた。
海未「彼方、もうじきこちらに果南が来るそうです。私は……次の場所へ移動しないといけないので……」
彼方「わかった。果南ちゃんと合流したら、一緒に行動するね」
海未「……果南が来るまでいた方がいいですか?」
彼方「平気だよ〜。守ってもらってるけど、彼方ちゃんも強いから〜。もうすでに果南ちゃんがこっちに向かってくれてるなら大丈夫だよ〜」
海未「わかりました。そういうことでしたら、私は行きますね。……エマさん、貴重なお話、ありがとうございました」
エマ「いえ……」
海未「……出来る限り、彼女と争わない道を考えるつもりです。……期待はしないで欲しいですが」
エマ「……はい」
そう残して、海未ちゃんはエマちゃんのお部屋を後にする。
エマ「…………」
エマちゃんは、酷く落ち込んでいる。
そりゃ、そうだよね……。果林ちゃんはエマちゃんにとって親しい友人だったみたいだし……。
彼方「エマちゃん、おいしいクッキーでも焼こうか……? おいしいもの食べたら元気も出ると思うから……」
エマ「ありがとう、彼方ちゃん。……でも、今はちょっと考えたいことがあるから……一人にしてもらってもいいかな……」
彼方「エマちゃん……。……わかった。ごめんね、辛い話をさせちゃって……」
エマ「うぅん、大丈夫だよ。クッキーは今度食べたいな。彼方ちゃんの焼いてくれるクッキーすっごくおいしいから」
彼方「うん、わかった。次来るときは焼きたてのを持ってくるね」
エマ「うん」
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