168: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/21(水) 15:04:16.81 ID:/nLmInIK0
私が岩を一段よじ登り、かすみちゃんに手を伸ばす。
かすみ「あ、ありがとうございます、侑先輩」
要所要所でお互いを引っ張りあげながら、どうにかこうにか登っていく。
かすみ「……はぁ……こんな崖みたいな山、果南先輩はホントに自力で登ったんですかね……?」
侑「彼方さん曰く、あっという間に登って降りてきたって言ってたよね……」
一体いつアイテムを遺跡に置いてきたのかと思ったけど……どうやら、私たちがジム戦をしている間にやっていたらしい。
ローズ側の麓で待っていた彼方さんによると──本当にものの数時間で戻ってきたとか……。
実際、その後私たちのバトルの分析とかもしてたわけだし……たぶん、嘘ではないと思う。
かすみ「あの人、人間なんですか……?」
侑「……それくらい、果南さんには実力があるってことなんだよ。きっと」
また一段登り──ふと後ろを見ると、ローズのセントラルタワーが少し下に見える。
侑「結構、登った気がするね……」
かすみ「でも……ここから先、さらに崖みたいになってますよぉ……」
かすみちゃんの言うとおり、崖はどんどん険しくなっていく。
侑「ここは……私たちだけじゃ、登れそうにないね」
「ブイ…」
かすみ「ですね……」
目の前の崖を一段上に登るには、少し高い……。イーブイもこれは登れないと思ったのか、私の肩の上に戻ってくる。
一応登山用の道具は果南さんが用意してくれたものを持っているけど……この崖を自力で登ろうとすると、時間がかかってしまう。
ここまで、ポケモンたちの体力温存のために、二人で登ってきたけど……これ以上は、ポケモンたちの力を借りる必要がありそうだ。
かすみ「ジグザグマ、出てきて」
「──クマァ♪」
かすみちゃんはジグザグマをボールから出す。バッグからロープを取り出して、ジグザグマのお腹辺りに括りつけ、技の指示をする。
かすみ「“ロッククライム”!」
「クマ!!」
ジグザグマは指示を受けると、全身の硬い体毛を岩壁に突き刺しながら、上に登っていく。
崖を一段上に上がりきったところで、ジグザグマは体毛を岩壁に突き刺し、
かすみ「そこで待っててね〜」
「クマァ〜」
一旦待機させる。
かすみ「それじゃ、先に行きますね」
侑「うん」
かすみちゃんは、ロープを自分に巻き付け、ジグザグマが窪ませた穴に手足を掛けて登っていく。
私も同じように、
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