164: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/21(水) 15:01:37.48 ID:/nLmInIK0
■Chapter054 『試練の山』 【SIDE Yu】
かすみ「……侑先輩」
侑「ん……何……?」
かすみ「かすみんたち……なんで、山登りしてるんですかね……」
侑「あはは……なんでだろうねぇ……」
振り返ると──遠くにローズシティが見える。
ここは……カーテンクリフだ。
かすみ「……うぅ……早く帰りたい……」
侑「……気持ちはわかるけど……時間もないし、早く進もう」
かすみ「あ、待ってくださいよぅ……侑先輩ぃ……」
私たちが何故、再びカーテンクリフを登っているかというと……話は昨日の夕食の時に遡る──
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侑「──修行法……ですか……?」
果南「そう、修行法」
食卓を囲みながら、果南さんはそう話し始めた。
果南「実は私、二人がジム戦をしてる間に、他の町のジムリーダーに連絡して、侑ちゃんとかすみちゃんのジム戦のバトルビデオを送ってもらって、見てたんだよ」
彼方「ちなみに、彼方ちゃんも一緒に見てたよ〜」
かすみ「へ……? ビデオなんてあったんですか……?」
リナ『ジム戦は公式戦だから、基本的に録画してる場所が多いよ。今日みたいな野外バトルとかだとさすがにしないみたいだけど……』 ||  ̄ ᇫ  ̄ ||
果南「野外試合だった、かすみちゃんのウチウラジム戦とセキレイジム戦、侑ちゃんのホシゾラジム戦はデータがなかったから、曜とルビィちゃん、凛ちゃんに電話で直接どんな試合か聞いたよ。……あと、侑ちゃんのダリアジム戦はビデオもなかったし、試合内容も教えられないって、にこちゃんから言われたんだけど……何か特別なルールだったの?」
侑「あー……えーっと……まあ、いろいろです」
花丸さんはクローズドなジムリーダーだから、そりゃ映像には残らないし、試合内容も喋れないよね……。
果南「まあ、いいや……その上で、彼方ちゃんと話しながら、二人のバトルの問題点を洗い出してきたんだ」
かすみ「お二人とも、そんなことしてたんですね……。……まあ、かすみんの欠点なんてそんなにないと思いますけどね〜?」
彼方さん特製のから揚げを頬張りながら、かすみちゃんは自慢げに胸を逸らす。
果南「……じゃあ、まずかすみちゃんから、話そうか。……かすみちゃんは捨て身の攻撃が多すぎる」
かすみ「……ぅ」
果南「特に“じばく”みたいな相討ち上等な立ち回り方が目立ってる」
かすみ「……だ、だってぇ……あれは、大逆転できるパワーを秘めてる技だからぁ……」
果南「確かに打開の策としては間違ってないと思うよ。実際に、それで勝ってきてるわけだし。……でも、心のどこかでどんなに追い詰められても、最悪“じばく”で相討ちを取ればいいとか思ってない?」
かすみ「……ぅ……そ、それは〜……」
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