侑「ポケットモンスター虹ヶ咲!」 Part2
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129: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/20(火) 12:43:49.03 ID:B+X5AS2s0

リナ『セオリーで言うなら、高所を取った方がいいけど……』 ||  ̄ ᇫ  ̄ ||

かすみ「じゃあ、2階で戦います……?」


確かに高所からの方が一方的な攻撃をしやすいけど……それは相手が下にいる場合の話だ。


侑「むしろ……2階だと遮蔽物が少ない分、逃げるのが難しいかもしれない……」

かすみ「むむ……確かにそれはそうですね……。……とにもかくにも……一度腰を落ち着けて作戦を考えたいですぅ……」

侑「あ……。あそことか、いいんじゃないかな」


私は大きな工場の端の方にコンテナを見つけて、そこに降り立ってみることにした。

床に無造作に置かれたコンテナは、扉が外れていて、簡単に中に入ることが出来そうだった。


かすみ「……うわー……おっきなコンテナですねぇ……」

リナ『これでモンスターボールを大量に運搬してたんだと思う』 || ╹ᇫ╹ ||

侑「だね……一旦ここで作戦を考えよう」


真姫さんがどれくらいこの工場を把握しているかはわからないけど……見晴らしのいい場所よりは、死角の少ない場所の方がいい。

もちろん、追い詰められたら逆に逃げ場がない場所だから、ずっと留まるつもりはないけど……。


かすみ「あのー……やっぱりかすみん、この試合はバッジを奪って勝つ方がいいと思うんですよ〜……」

リナ『確かに……真っ向から戦うには、パワーに差がありすぎる』 ||  ̄ ᇫ  ̄ ||


リナちゃんの言うとおり、どう考えても相手が格上だ。真っ向から戦うのは無謀というのは間違いない。

だけど……。


侑「たぶん……やめた方がいいと思う」

かすみ「どうしてですか? バッジさえ手に入れちゃえば、こっちの勝ちじゃないですか! 真姫先輩がどうしてあんなにあまあまな人なのか知りませんけど……あえて、簡単に勝てる条件を付けてくれたんだから、それは利用するべきですよ!」

侑「うぅん、そうじゃなくてね。……なんで、そんな条件を出したのかってことを考えないといけないんじゃないかなって」

かすみ「……? どういうことですか?」


これは、私たちの実力を試すための戦いだ。

それなのに、何故わざわざそれを緩くする条件を付けるのだろうか?

私はそれが疑問だったけど……。


侑「私はジムバッジを奪わせるように誘導してるように感じる」

かすみ「誘導……?」

侑「実力差を見せつけられたときに、もし真っ向から戦わずに勝てる方法があったら……誰もがそっちに行っちゃうと思うんだ」

かすみ「……それはそうですね。かすみんもそう思っちゃいましたし」

侑「でもそれって逆に、真姫さんの視点からしたら、相手の目的を簡単に絞れるってことにもならない?」

かすみ「言われてみれば……」

侑「実力差がある中で、真っ向から倒すのが難しいのは確かにそうだけど……実力差がある相手が防御に集中したら、倒すよりも奪う方が難しいんじゃないかな……」


真姫さんはこの地方のジムリーダーの中でも、特に攻守速のバランスがよく、補助技の使い方もうまい。

戦い方は打算的で合理的で論理的だ。試合運びが上手で、セオリーを軸に将棋を指すような先読みで相手を制すタイプ。

なら、いかにも追い詰められた私たちがしそうな行動は特に読まれやすい。避けるべきだ。

むしろ……バッジを奪うことを勝利条件にしてきたこと自体が向こうの狙いに思えてくる……。



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