120: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/20(火) 12:30:31.10 ID:B+X5AS2s0
🎹 🎹 🎹
真姫さんから指定のあった場所──そこはローズシティの西端部、外周区のさらに外……。
かすみ「ここも一応、ローズシティ……なんですよね? ……随分、雰囲気が違くないですか……?」
侑「うん……」
かすみちゃんの言うとおり、ここは……廃屋がいくつもあるような場所だ。ローズシティの雰囲気とは正反対というか……。
侑「リナちゃん、ここ……ローズシティだよね……?」
リナ『うん。滅多に人は近付かないけどね』 || ╹ᇫ╹ ||
かすみ「なんで、こんな場所があるんですか? ローズシティって、超都会! 最先端! ってイメージなのに……」
かすみちゃんがそんな疑問を口にすると──
「──ここは廃工場地帯よ」
空から声が降ってきた。
かすみちゃんと二人でその声の方に目を向けると──
真姫「……二人とも、ちゃんと時間通りに来たわね」
真姫さんがメタングに腰掛けながら、私たちの上を浮遊していた。
侑「真姫さん!」
真姫さんは、メタングから飛び降り、私たちの前に降り立つ。
かすみ「廃工場って……今は使ってないってことですか?」
真姫「ええ。工場は中央区が出来たときに、全部そっちに移転して……ここには廃棄された工場だけ残ったってこと」
かすみ「解体とかしなかったんですか?」
真姫「この場所って、カーテンクリフが近いでしょ? そこから、たまに野生ポケモンが来るの。ローズの人って、ポケモンが苦手な人が多いから、ほとんどが中央区に移り住んで、ここは場所自体が放棄されたってわけ」
リナ『ローズでは野生のポケモンが近くに出るってだけで、人が寄り付かなくなるからね』 || ╹ᇫ╹ ||
真姫「だから、ローズシティの敷地内だけど、ここに来る人はほとんどいないし、いるとしても野生のポケモンくらいってわけ。二人とも、付いてきなさい」
侑「は、はい」
「ブイ」
真姫さんの後を追ってたどり着いた場所は──
かすみ「うわ……でっか……」
一際大きな廃工場だった。驚いて建物を見上げる私たちを後目に、真姫さんは工場の中へと入っていく。
倣うように屋内へ足を踏み入れると──中も広々とした工場だった。
あちこちにベルトコンベアがあり、見上げると2階くらいの高さに、工場内の点検や作業用のキャットウォークが設置されている。
真姫「ここはモンスターボール工場だった場所よ」
かすみ「モンスターボールって……あのモンスターボールですか?」
真姫「ええ。ローズシティは昔から、この地方のほぼ全てのモンスターボールを生産しているの。今は中央区の方に工場が移ったから……こんな大規模な工場だけがここに残されてるってわけ」
791Res/1707.57 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20