121: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/20(火) 12:31:48.85 ID:B+X5AS2s0
そう言いながら、真姫さんは私たちを置いて──キャットウォークの方へと階段を上って行く。
真姫「……そして、この廃工場が、今日のバトルフィールドよ」
侑「……! ここが……」
かすみ「場所はジムリーダーが決めるって言ってましたもんね……」
真姫「ルールは事前に言ってあるようにフリールール。交換も同時にポケモンを出すことにも、一切制限がないわ。使用ポケモンの数にも制限は設けない」
かすみ「え? それじゃ、こっちは侑先輩とかすみんの手持ち合わせると……」
真姫「ええ。それぞれのトレーナーが6匹ずつ。つまり、そっちは二人合わせて12匹のポケモンをフルで使って大丈夫よ」
かすみ「……ちょっとちょっと侑先輩! これ、もしかして楽勝で勝てちゃうんじゃないすか!?」
侑「……」
確かに一見私たちに有利な条件にも見えるけど……真姫さんの毅然とした態度。
やはり本気の手持ちを使うのもあってか、よほど自信があるのかもしれない。
侑「私たちは、真姫さんの手持ち6匹を全部倒せばいいってことですか?」
真姫「それでもいいけど……勝敗の条件は──これよ」
そう言いながら、真姫さんは上着をめくって内側を見せる。
そこには──ジムバッジが2つ輝いていた。
侑「“クラウンバッジ”……」
ローズジムを攻略した証として貰える、“クラウンバッジ”だ。
真姫「貴方たちの勝利条件は──私を戦闘不能に追い込むか、この“クラウンバッジ”を奪うことよ。逆に……貴方たちの敗北条件は、貴方たちが戦闘不能もしくは行動不能になること」
今回のフリールールは実戦形式と言っていた。実戦を模した戦いということはつまり──仮にポケモンが残っていても、私たちトレーナーが戦闘を継続できなくなった時点で勝敗が付くということだ。
真姫「もちろん、大怪我をさせるつもりはない。ただ、これは実戦形式……ちょっとした怪我くらいは覚悟して貰うわよ」
かすみ「の、望むところです!」
真姫「ま……仮に怪我したとしても、私が診てあげるから安心なさい。私はジムリーダーであると同時に、医者でもあるから」
侑「け、怪我せずに勝てるように頑張ります!」
真姫「ええ、頑張って頂戴」
真姫さんは2階から私たちを見下ろしながら、腰のボールを外す。
真姫「本来なら……私は貴方たちの、友達を助けたいという意志を応援していたと思うわ。だけど……今回は菜々も関わってる。……だから、貴方たちが生半可なトレーナーであるなら、ここで足切りさせて貰うわ」
──真姫さんにも、全力を出す理由があるということだ。
侑「かすみちゃん……! やるよ!」
「ブイブイッ!!!」
かすみ「もちろんです!! 二人であっと言わしてやりましょう!!」
リナ『二人とも、頑張って! リナちゃんボード「ファイト、おー!」』 ||,,> ◡ <,,||
私たちもボールを構えた。
真姫「ローズジム・ジムリーダー『鋼鉄の紅き薔薇』 真姫。本気の私に勝てるか、やってみなさい……!!」
工場内でボールが放たれた──バトル、開始……!!
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