12: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/16(金) 03:22:21.00 ID:eLOLjL7n0
自分の足に目を向け、驚愕する。
私の足に氷で出来たような鎖が巻き付き──氷漬けにしているではないか。
姿の見えない敵。氷の鎖。超低温を操る能力。こんな能力を兼ね備えたポケモンは1匹しか思い当たらない……!
しずく「フリージオ……!!」
「────」
名を呼ぶと、大きな氷の結晶のお化けのようなポケモンがパキパキと音を立て、結晶化しながら姿を現した。
フリージオが姿を現すと──より一層冷気が強くなり、私の足から足首へ、足首からふくらはぎへと氷が侵食してくる。
フリージオは氷の鎖で獲物を捕まえて連れ去る習性がある。その獲物というのは──もちろん、私だ。
しずく「まさか、さっきの雪崩は貴方が“ゆきなだれ”で起こしたもの……!?」
「────」
上にいる時点で私は狙われていたということだ。そして、まんまと谷底に落とされ──このままでは氷漬けにされる。
しずく「う、ぁ……」
どんどん身体が凍り付いていく。
──絶体絶命なそのとき、
「──“めらめらバーン”っ!!!」
「イ、ブィッ!!!!!!」
「────」
空から、炎を身に纏った、イーブイがフリージオ目掛けて、飛び込んできた。
炎の直撃を受けると、フリージオは蒸発するように掻き消える。
この技が使えるのは……!
しずく「ゆ、う、先輩……っ……!」
侑「しずくちゃん、大丈夫!? イーブイ!」
「ブイ!!」
イーブイが私の足元に近付き、炎でゆっくりと氷を溶かしてくれる。
しずく「あ、ありがとう、ございます……」
侑「うぅん、しずくちゃんが無事でよかった……。それよりも、今のポケモンは……」
リナ『今のポケモンはフリージオだよ!』 || ˋ ᇫ ˊ ||
リナ『フリージオ けっしょうポケモン 高さ:1.1m 重さ:148.0kg
体温が 上がると 水蒸気に なって 姿を 消す。 体温が
下がると 元の 氷に 戻る。 氷の 結晶で できた 鎖を
使い 獲物を 絡め取り マイナス100度に 凍らせる。』
しずく「“とける”で姿を消しています……侑先輩、気を付けてください……」
侑「気を付けるって言っても、相手が見えないんじゃ……!」
しずく「確かに……まずはどうにかして、姿を捉えないと……!」
このままじゃ、全員じりじりと体温を奪われていって最後には氷漬けにされて連れ去られてしまう。
そのとき、
「ブイ…!!!」
791Res/1707.57 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20