105: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/19(月) 12:16:27.33 ID:c3b0uZJF0
曜「善子ちゃん……」
善子「……なんで、あの子が苦しんでるときに……私はいつも……傍に居てあげられないのかな……」
曜「…………善子ちゃんにとって……菜々ちゃんは特別だもんね」
善子「…………」
曜「……後悔してるんだね。あのとき、強引にでも手を取ってあげられなかったこと……」
善子「…………」
曜「なら、出来ることは一つだよ」
善子「…………え……?」
善子ちゃんは振り返りながら、声をあげる。
曜「もう、後悔しないように……次はちゃんと菜々ちゃんの手を取ってあげないと。善子ちゃんが」
善子「…………曜」
曜「だから、今は下向いてる場合じゃないよ! 私たちに出来ることをしよう!」
善子「…………」
善子ちゃんは少しの間、無言で私の顔を見つめていたけど、
善子「……はぁ……これだから、陽キャは……落ち込ませてもくれないんだから……」
溜め息交じりに肩を竦めながら、そう言う。
曜「だって、落ち込んでる善子ちゃんなんて、見たくないもん」
善子「わかった。……出来ることをしましょう。……菜々に胸を張れる大人であるために」
曜「うん♪ それでこそ、善子ちゃんだよ♪」
善子「……ありがと、曜。……あと、善子言うな」
🍅 🍅 🍅
真姫「……」
出て行ってしまった善子を見て、罪悪感があった。
菜々が図鑑と最初のポケモンを貰う約束をしていたのが善子だったというのは、もちろん知っていた。
だけど……せつ菜はトレーナーになってからも、善子に自分の正体を明かさなかった。
理由はなんとなく見当がついている。……きっと、ばつが悪かったのだろう。
その意思を汲んで私も何も言わなかったけど……。
今こんな事態になってしまってから、一言私の口から伝えておくくらいはしておいてよかったんじゃないかと……そんな風にも思っていた。
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