西宮結絃「オレと付き合えば?」
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1:名無しNIPPER[sage saga]
2022/11/29(火) 22:00:06.13 ID:YXL4S2fqO
『生きるのを手伝って欲しい』

姉ちゃんから石田にそう言われたと聞いた時、素直に羨ましいと思った。生きるのは難しい。被害者の姉ちゃんも加害者の石田も。
加害者になった姉ちゃんも被害者の石田も。

そしてただの傍観者にしか過ぎないオレも。

「なあ、石田」
「ん?」
「そろそろ姉ちゃんのことを名前で呼んでもいいんだぞ」

休日、暇だったから石田を誘って今話題の映画鑑賞と洒落込んだ帰り道。オレがそう言うと石田は俯いて。

「いや……馴れ馴れしくない?」

馴れ馴れしいも何もプロポーズまがいの発言をして何を今更。とはいえ、石田にはその気はないんだろう。姉ちゃんはその気だけど。

「石田、お前はオレのことをなんて呼ぶ?」
「結絃、だけど……?」
「つまり、オレは姉ちゃんに勝っている」
「は?」
「と、姉ちゃんは誤解するかも知れない」

謎理論に首を傾げる石田に事実を述べよう。

「少なくともオレは優越感を覚える」
「なんで?」

だって、名前で呼ばれたほうが彼女っぽい。

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2:名無しNIPPER[sage saga]
2022/11/29(火) 22:04:24.26 ID:YXL4S2fqO
「考えてもみろ、石田。妹に先を越される姉の気持ちを。姉が経験していないようなあんなことやこんなことを先に覚えてしまった妹を見て、姉ちゃんはどう感じると思う?」
「あんなことやこんなことって?」
「一緒に映画を観た帰り道で手を繋いだり」

そう前置きしてから手を取る。石田は特にリアクションをせずに手を離す素振りもない。
以下略 AAS



3:名無しNIPPER[sage saga]
2022/11/29(火) 22:07:44.11 ID:YXL4S2fqO
「というわけで、石田」
「改まって、なんだよ」

手を繋いだまま、立ち止まって見上げる石田は大人でオレはまだまだガキのまま。だけど姉ちゃんを名前で呼べない石田と精神年齢ではいい勝負が出来そうだ。だから提案する。

以下略 AAS



4:名無しNIPPER[sage saga]
2022/11/29(火) 22:10:34.61 ID:YXL4S2fqO
「あ。ごめん、結弦」
「ん? なんでぇ、薮から棒に」
「思ったより映画長くてさ。トイレに行きたいからそろそろ手を離してくれると……」
「フハッ!」

以下略 AAS



5:名無しNIPPER[sage saga]
2022/11/29(火) 22:19:08.77 ID:YXL4S2fqO
>>4レス目の結絃が結弦になってますが正しくは結絃でした
確認不足で申し訳ありません
最後までお読みくださりありがとうございました!


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