92: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/27(日) 16:44:58.18 ID:EM6Mdgk00
19時、夜の帳が下り、街頭の光が雨に反射して、光の道を作っているようだった。
雨は少し勢いを弱めていた。今のうちに少しでも、と道向かいの屋根付き歩道に移動する。
93: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/27(日) 16:45:52.71 ID:EM6Mdgk00
雨はまだ止まない。先ほどよりまた、勢いを増したようだ。
(メイド、メイドか……)
94: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/27(日) 16:46:24.52 ID:EM6Mdgk00
会場のライトが消え、ステージがライトアップされる。
そうして、舞台袖からひとりの小柄な女性が飛び出してきた。
95: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/27(日) 16:46:57.14 ID:EM6Mdgk00
「こんばんはー!今日もナナのステージにきてくださってありがとうございます!」
あの子が、安部菜々が、居た。
96: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/27(日) 16:47:39.35 ID:EM6Mdgk00
「以上!新曲『ウサミン伝説最終章・第4話・その8』を聞いていただきましたー♪」
聞き入っていた。曲の良し悪しや、歌の巧拙ではない。
97: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/27(日) 16:48:20.18 ID:EM6Mdgk00
「はぁ……」
控室、安部菜々はそこに居た。
98: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/27(日) 16:48:55.16 ID:EM6Mdgk00
「え、はい!」
今にも泣き出してしまいそうな顔で、安部菜々は振り向いた。そして。
99: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/27(日) 16:49:27.34 ID:EM6Mdgk00
「菜々さん、これを……」
名刺を差し出した。
100: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/27(日) 16:50:00.02 ID:EM6Mdgk00
「アイドル・ウサミンの自己紹介。また聞かせてくれないかな?」
「は、はい!」
101: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/27(日) 16:50:31.84 ID:EM6Mdgk00
「今日もそうだったね。それで改めてお伝えしたいことがあります」
敬語に切り替える、ここからは仕事の話だ。
102: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/27(日) 16:51:01.92 ID:EM6Mdgk00
「ええええっ!?ス、スカウトですかっ!ナナ、メジャーデビューできるんですかっ!?」
表情をコロコロ変えながらずっと驚いている。
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