88: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/27(日) 16:41:47.66 ID:EM6Mdgk00
二人のスケジュールを確認し、今のところ無理のない配分になっている事を確認する。
川島瑞樹には新しい化粧品のCMとバラエティ番組でのレポートコーナーへのオファーを、片桐早苗には数件の営業への出演予定を伝えた。
89: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/27(日) 16:42:23.42 ID:EM6Mdgk00
今日は何件かの広告代理店、ドラマの制作会社、提携先のレコード会社を訪問する。
季節は初夏。外回りをするのにも難儀な季節になってきたが、すべてはアイドルのため。そう思うと何の苦にもならない。
90: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/27(日) 16:43:24.09 ID:EM6Mdgk00
「前職は警察官でしたが、お祭好きの明るい性格。片桐さんはそんな女性でしたね」
レコード会社での打ち合わせの際、先方のプロデューサーが切り出してきた。
91: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/27(日) 16:43:57.86 ID:EM6Mdgk00
そんな矢先、ポツリ、と鼻先に水滴が降ってきた。
(今日は、夜から雨だったか?)
92: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/27(日) 16:44:58.18 ID:EM6Mdgk00
19時、夜の帳が下り、街頭の光が雨に反射して、光の道を作っているようだった。
雨は少し勢いを弱めていた。今のうちに少しでも、と道向かいの屋根付き歩道に移動する。
93: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/27(日) 16:45:52.71 ID:EM6Mdgk00
雨はまだ止まない。先ほどよりまた、勢いを増したようだ。
(メイド、メイドか……)
94: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/27(日) 16:46:24.52 ID:EM6Mdgk00
会場のライトが消え、ステージがライトアップされる。
そうして、舞台袖からひとりの小柄な女性が飛び出してきた。
95: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/27(日) 16:46:57.14 ID:EM6Mdgk00
「こんばんはー!今日もナナのステージにきてくださってありがとうございます!」
あの子が、安部菜々が、居た。
96: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/27(日) 16:47:39.35 ID:EM6Mdgk00
「以上!新曲『ウサミン伝説最終章・第4話・その8』を聞いていただきましたー♪」
聞き入っていた。曲の良し悪しや、歌の巧拙ではない。
97: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/27(日) 16:48:20.18 ID:EM6Mdgk00
「はぁ……」
控室、安部菜々はそこに居た。
98: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/27(日) 16:48:55.16 ID:EM6Mdgk00
「え、はい!」
今にも泣き出してしまいそうな顔で、安部菜々は振り向いた。そして。
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