59: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 22:40:33.99 ID:ut4Hw6Jr0
「わかったわ。片桐早苗さん、話を聞いていたらとても楽しそうな子だし、同い年だし、それに、フフフッ、お酒もいける口みたいね」
やはり同年代で、しかも酒好きと嗜好があう仲間が増えるかも知れないというのは心強いのだろう。
60: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 22:41:03.49 ID:ut4Hw6Jr0
「プロデューサーさん、片桐早苗さんがお見えですよ」
千川ちひろから声がかかる。
61: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 22:41:35.40 ID:ut4Hw6Jr0
「こっちこそよろしくね!」
目を輝かせている片桐早苗の様子から、まずは心理的なわだかまりが無くなっていることがわかる。
62: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 22:42:13.46 ID:ut4Hw6Jr0
彼女の明るさ、気風の良さ、愛嬌が様々な人たちと話すたびに見えてきて、まわりのメンバーもそんな彼女につられて笑顔になっていた。
やはり片桐早苗はアイドルに向いている。
63: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 22:42:45.42 ID:ut4Hw6Jr0
「でも、今日スーツなのよね。もっとカジュアルな格好にしておけばよかったかしら?」
「そういうことなら!今日たまたま予備を持ってきていた私のレッスンウェアをお貸ししますよ!はっ、これはもしやサイキック予知だったのでは?」
64: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 22:43:24.91 ID:ut4Hw6Jr0
「ふえー……きつかったわー……」
ダンスレッスンの体験が終わった後、片桐早苗は完全にへばっていた。
「こういう時はキンッキンに冷えたビールが飲みたいわー……。プロデューサー君、ちょっと買ってきて?」
65: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 22:44:01.40 ID:ut4Hw6Jr0
川島瑞樹のレッスンが終了してしばらく経っている。
そろそろこちらに来る時間だ。
66: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 22:44:31.47 ID:ut4Hw6Jr0
「何を言ってるんですかあなたは」
「フフッ……だって、ちょっと聞こえてたのよ。片桐さんの声。それに片桐さんの気持ち、わかるわ。はじめまして。川島瑞樹よ」
67: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 22:45:14.39 ID:ut4Hw6Jr0
「あら、その様子だともう決めちゃってる?」
「片桐さん。アイドルになっていただけるんですね?」
68: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 22:45:45.95 ID:ut4Hw6Jr0
とは言え、片桐早苗の決意を最後にひと押ししたのは、紛れもなく川島瑞樹の一言だったのだろう。
「……では片桐さん。次は退職までのスケジュールを教えてくださいね。公務員なんですからそこはしっかりしてください」
69: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 22:46:29.48 ID:ut4Hw6Jr0
― 第二章「片桐早苗」 了 ―
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