974: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/16(金) 01:47:24.41 ID:eLOLjL7n0
英玲奈さんは上を見上げて、目を見開いた。
何故なら──上空に大きな雷雲が出来ていたからだ。
ライボルトは、空気中の電気をたてがみに集めて、雷雲を作り出すポケモンだ。
英玲奈「しまった!? ヘラクロス、防御を──」
侑「もう遅いです!! “かみなり”ッ!!」
「ライボォォォッ!!!!!!!!」
天空からの“かみなり”はヘラクロスの1本ヅノ目掛けて、轟音を立てながら、迸る。
空気の爆縮で、ジム内を雷轟が響き渡り──
それが晴れた頃には、
「ヘ、ラク、ロ…」
“かみなり”に撃たれて丸焦げになったヘラクロスが、地に伏せっていた。
「ライボッ!!!」
そして、再び“でんじふゆう”で着地の衝撃を緩和しながら、ライボルトが地面に降り立った。
侑「やったー!! ナイスだよ、ライボルト!!」
「ライボッ!!!」
英玲奈「……やられたな……さっきの“かえんほうしゃ”はわざと“こんじょう”を発動させるためのものだったか」
侑「えへへ……はい!」
ヘラクロスの特性は“こんじょう”、“むしのしらせ”、“じしんかじょう”の3種類。
その中でも、“むしのしらせ”は少なくて、“こんじょう”か“じしんかじょう”が圧倒的に多い。
ただ、相手を倒したときに自分のパワーを上げる特性の“じしんかじょう”なら、ドロンチを倒した時点でパワーアップしていないとおかしい。
となると、十中八九“こんじょう”だと当たりを付けていた。
英玲奈「“こんじょう”を発動させたのは……“メガホーン”で少しでも、高く打ち上げて欲しかったからか」
侑「はい! 天井に近ければ、一気に電荷を放出して、バレずに雷雲を即座に作り出せますから!」
英玲奈「土壇場で技の選択を間違えたようだな……。私もまだまだだ」
英玲奈さんはそう言いながら、ヘラクロスをボールに戻す。
確かに、“メガホーン”以外の技で来られていたら、この作戦は成功していなかったけど……“メガホーン”はヘラクロスの代名詞とも言える技。
ヘラクロスというポケモンが咄嗟に使うとしたら、きっと“メガホーン”だって自信があった。
英玲奈「なら、こいつはどうだ……! 行け、アイアント!!」
「──アントーーー!!!!」
英玲奈さんが2匹目のポケモン──アイアントを繰り出す。
アイアントは飛び出すと同時に、ものすごいスピードで、ライボルトへと迫ってくる。
侑「は、速い……!? “10まんボルト”!!」
「ライボッ!!!!」
高速で迫ってくるアイアントに向かって──バチバチと音を立てながら、電撃が迸る。
侑「よし……! 当たった……!!」
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