900: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/12(月) 14:11:24.72 ID:ropYqdR40
「ブイィ…」
侑「よしよし、怖かったね……もう、大丈夫だよ」
ぶるぶると震えるイーブイを優しく撫でながら、声を掛ける。
相当びっくりしたに違いない。
しばらく抱きしめていたら、イーブイは次第に落ち着いてくる。
「ブイ…」
侑「怪我してない?」
「…ブイ」
訊ねると、イーブイは首を小さく縦に振る。
侑「よかった……」
もう一度ぎゅっと抱きしめる。
本当にイーブイが怪我しなくてよかった……。
侑「それにしても……これだけの高さから落ちて、よく無事だったね、私たち……」
「ブイ…」
座ったまま、周囲を確認する。
縦穴を落ちてきただけあって、完全に洞窟内だけど……かなり狭い通路のような場所──恐らくここもイワークの通った道なんだろう──で、周囲には何やらキラキラとした粉のようなものが舞っている。
そして、私のお尻の下には──何やら白くてぶよぶよしたものがあった。
侑「これが、クッションになって助かったみたいだね……。でも、なんだろ、これ……」
「ブイ…?」
手で押してみると、強い弾力性があって押し返してくる。
侑「うーん……?」
全く見当も付かず、頭を捻っていると──
リナ『──侑さーん……!』
真上からリナちゃんの声が聞こえてきた。
侑「リナちゃん!」
リナ『よかった、侑さん無事だった……』 || > _ <𝅝||
侑「うん、これのお陰で助かったみたい」
私は自分たちの真下にある、白いぶよぶよを指差す。
侑「これ、なんだろ?」
リナ『これは……キノコの一種みたい』 || ╹ᇫ╹ ||
侑「キノコ……? じゃあ、周りに漂ってる粉みたいなのは……」
リナ『たぶん胞子』 || ╹ᇫ╹ ||
侑「どうしてこんなところにキノコが……?」
リナ『クリスタルケイヴは、ネマシュの生息地だからだと思う。たぶんここは、ネマシュたちの巣だよ』 || ╹ᇫ╹ ||
侑「なるほどね……お陰で助かったよ……」
「ブイ…」
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