874: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/11(日) 19:01:47.81 ID:6zYh2+nI0
菜々「えっと……はい、確かにそうですが……」
果林「やっぱり」
菜々「よくご存じでしたね……」
果林「真姫さんの秘書は若い女の子だって聞いていたから……。このビルで見かけた人の中でも、貴方は飛びぬけて若い子だったから、もしかしてと思って」
菜々「なるほど……」
果林「確か……ナカガワ・菜々さんよね」
菜々「はい」
果林「まだ16歳って本当なの?」
菜々「は、はい……真姫さんに直接秘書にならないかとお声を掛けていただいて……」
果林「若いのに、有能なのね」
菜々「い、いえ、そんな……///」
果林「それに、可愛い顔してる……」
菜々「はいっ!?///」
果林さんの言葉に、思わず声が裏返る。
果林「その容姿なら、きっと人気者になれるわよ?」
菜々「か、か、からかわないでくださいっ!!///」
思わず、果林さんから目を逸らす。
この人は急に何を言い出すんだ。
果林「ふふっ、ごめんなさい。でも、可愛いって思ったのは本当よ?」
菜々「ぅぅ……///」
顔が熱い。ポケモンバトルを褒められることはよくあるけど、こんな風に容姿を褒められるのには慣れていない。
しかも──今の私は菜々モードだ。眼鏡に三つ編みで、比較的地味な見た目にしているはずなのに……。
果林「ふふ……隠してもダメよ? お姉さんには、わかっちゃうんだから」
菜々「だ、だから……か、からかわないでください……///」
果林「ふふ、ごめんなさい♪」
果林さんが、いたずらっぽく笑うのとほぼ同時に──ピンポーン。という音と共に、エレベーターが目的の階に到着する。
エレベーターのドアが開くと果林さんは、
果林「案内してくれてありがとう、それじゃまた後でね」
そう残して、先に行ってしまった。
菜々「……はぁ……///」
一緒にエレベーターに乗っていただけなのに、なんだか気疲れしてしまった。
菜々「……これから、大事な会議なんだから、しっかりしないと」
私は動揺を飛ばすために頭を振り、果林さんの後を追ってエレベーターを降りるのだった。
──余談ですが、何故か果林さんが会議室に姿を現したのは、会議開始時間ギリギリでした。……ちゃんと会議室まで案内してあげた方がよかったのかもしれません。
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