863: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/10(土) 16:21:28.01 ID:hRdoaDre0
その後、マネネと一緒に両親を探して……ブラッシータウンの駅で両親と再会することが出来ました。
しずく「──これが、私とマネネの出会いでした」
歩夢「素敵な出会いだったんだね」
しずく「はい……大切な思い出です。私にとっての……初めての友達……」
だから……だからこそ、マネネとの距離感が変わってしまうことが怖かった。
しずく「……マネネ、出てきて」
私は握ったボールから、マネネを外に出す。
「──マネ♪」
歩夢「しずくちゃん……いいの?」
しずく「はい……なんだか、マネネとお話ししたくなっちゃって……」
「マネ♪」
進化してしまうのは、変わってしまうのは、怖いけど……でも、マネネと話したい気持ちもある。
しずく「マネネは……“まねっこ”が大好きなポケモンですが……それが“まねっこ”ではなく、“ものまね”になったとき、バリヤードに進化するそうです」
「マネ?」
しずく「果たして“まねっこ”と“ものまね”の何が違うのか……よくわかりませんが……」
技としては、“まねっこ”は直前に見たのと同じ技を繰り返す。“ものまね”は直前に見た技を覚えて使えるようになる……という違いだが、何が起こると“まねっこ”が“ものまね”になるのかはよくわからない。
結局人の真似をしているということには何も変わりがないわけだし……。
しずく「でも……私がこんな悪あがきをしていても……マネネは成長して、いつかは進化しちゃうんでしょうけどね……」
歩夢「……私は、大丈夫だと思うな」
しずく「大丈夫……ですか……?」
歩夢「きっと、マネネは進化しても、しずくちゃんのこと、大切にしてくれると思う」
しずく「…………どうして、そう言い切れるんですか」
これだけ話したのに、そんな風に言う歩夢さんの言葉が、少し無責任に聞こえて、むっとした声になる。
しずく「ポケモンは進化して、新しい姿を得たら、気性が変わるのは事実なんです……保証なんてどこにも……」
歩夢「あるよ」
でも、歩夢さんは頑なだった。
歩夢「だって、それはしずくちゃんが今話してくれたよ」
しずく「……え? 私、そんな話……」
歩夢「ガラルで迷子になったとき、見ず知らずのマネネと出会ったしずくちゃんはどうしてマネネと仲良くなれたの?」
しずく「え……?」
歩夢「マネネの優しさをしずくちゃんが受け取ったからだよ」
しずく「…………」
歩夢「マネネから貰った“きのみ”を食べたとき、しずくちゃんはどう思った?」
しずく「どう……」
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