862: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/10(土) 16:20:55.16 ID:hRdoaDre0
当時はこれがなんの“きのみ”かはわからなかったが、今考えてみると“カゴのみ”でした。
お腹も空いていたし……せっかくくれたから、食べてみることにする。
思い切って、齧ってみると、
しずく「……か、硬い……」
とてつもなく硬かった。
でも、頑張って、ガリっと噛み砕いて口に含むと、
しずく「…………ちょっと、しぶい……」
よく家で飲む、お茶のような渋みがあった。
くれたのはありがたいけど……このまま食べるのには、向いていないかもしれない。
しずく「ちょっと、しぶくて……これいじょう、たべられないです……」
そう言いながら、マネネに“きのみ”を返すと、
「マネ」
マネネはまた私の真似をして、“きのみ”に齧りつく。
ガリっと硬い“きのみ”を口に含むと、
「マ、マネェェェ…」
“きのみ”の渋い味に、顔を顰めた。
しずく「……くすくす♪ わたし、そんなかおしてませんよ♪」
「マ、マネェ…」
さっきまでひたすら“まねっこ”していたのに、自分で持ってきた“きのみ”の味に険しい顔をするマネネが面白くて、なんだか笑ってしまった。
私がくすくすと笑うと、
「マネマネ♪」
私を真似して、マネネもくすくすと笑う。
しずく「もう……また、まねしてる……」
よほど、人の“まねっこ”をするのが好きなポケモンらしい。
少し呆れてしまうけど──お陰で、少しだけ元気が出てきた気がする。
しずく「……わたし、しずくっていいます。あなたは?」
「マネネッ!!」
しずく「マネネ……でいいのかな? いっしょにおとうさんとおかあさん……さがしてくれますか?」
「マネ♪」
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