860: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/10(土) 16:19:54.59 ID:hRdoaDre0
歩夢「うん。ただ、サスケ……進化しないんだよね」
しずく「え? 歩夢さんがキャンセルしているんじゃないんですか……?」
歩夢「うん。だから、きっとサスケ自身がずっと私の肩の上にいたいって思ってるから進化しないのかなって……。アーボックになったら、さすがに肩には乗せられないだろうし……」
「シャーボ」
歩夢さんがサスケさんの頭を撫でると、サスケさんもそれに応えるように、歩夢さんに身を摺り寄せる。
歩夢「でも、私もサスケが進化しちゃったら……びっくりして戸惑っちゃうかもしれないなって……。だから、しずくちゃんがそう思う気持ち、ちょっとわかるんだ」
しずく「歩夢さん……」
歩夢「だから、全然変なことじゃないよ。そんなに自分がおかしいだなんて、自分を追い詰めなくてもいいんだよ」
そう言いながら、歩夢さんはまた私の頭を優しく撫でてくれる。
なんだか、歩夢さんが優しすぎて──ポロリと……涙の雫が零れてしまった。
しずく「……ぐすっ……す、すみません……」
歩夢「大丈夫だよ、しずくちゃん」
かすみさんの前では、ずっと気丈に振舞っていたからだろうか。
何故だか、年上のお姉さんである歩夢さんの前では、普段言えない気持ちも素直に言えてしまう気がした。
──もちろん……それでも、ウルトラビーストのことは歩夢さんには言えないけど……。
歩夢「ねぇ、しずくちゃん」
しずく「……なんでしょうか」
歩夢「しずくちゃんがマネネとどうやって出会ったのか……聞いてもいい? そういえば私、聞いたことなかったなって……」
しずく「マネネとの出会い……ですか」
そういえば、あまり人に話したことはなかったかもしれない。
いい機会だし、歩夢さんに聞いてもらうのも悪くないのかもしれない。
しずく「……私がマネネと出会ったのは、両親に連れられて、ガラル地方に旅行に行ったときのことでした……」
──────
────
──
初めて訪れるガラルの地。
目に映るもの全て、オトノキ地方とは全然違って──はしゃいでいた私は、気付いたら親から離れて迷子になってしまっていました。
しずく「おとうさん……おかあさん……どこですか……っ……」
ブラッシータウンでべそをかきながら、両親を探す私。
異国の地で不安になりながら、とぼとぼと歩いていると、
「マネ…マネネ…」
しずく「……?」
足元で、私みたいにベソをかいているポケモンがいた。
しずく「……あなたもまいごなんですか……?」
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