856: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/10(土) 16:16:35.68 ID:hRdoaDre0
歩夢「……雨、止むまでは動けないね」
しずく「そうですね……かすみさんたち、心配してますよね……」
歩夢「さっき、リナちゃんにメッセージは送っておいたよ。……あ、返事来てる」
しずく「侑先輩たちはなんて……?」
歩夢「『二人とも無事でよかった。天気が落ち着いたら、すぐに迎えに行くからそこで待ってて』って」
しずく「そうですか……。……くしゅんっ」
歩夢「わわ……! 風邪引いたら大変……! 私の上着、ちょっとだけ乾いてきたから、羽織ってて!」
しずく「い、いえ、そんな……! 歩夢さんこそ風邪引いちゃいます……!」
歩夢「私は大丈夫だから、ね?」
しずく「でも……」
歩夢「はい、どうぞ」
しずく「……ありがとう……ございます……」
歩夢さんには独特の押しの強さがあるというか……なんだか、気付くと言うことを聞いてしまっているような、不思議な雰囲気がある。
歩夢「いいんだよ、こんなときは甘えても。私の方がお姉さんなんだから♪」
しずく「は、はい……///」
なんだか、少し気恥ずかしくなってくる。
歩夢「他に困ったことはないかな?」
しずく「大丈夫ですよ。それこそ、そこまで気を遣っていただかなくても……」
そのとき──くぅ〜……とお腹の辺りから音が鳴る。
しずく「あ、あの、これは……///」
歩夢「ふふ♪ 確かにお腹空いちゃったね♪」
しずく「ぅぅ……///」
歩夢「何かあるかな……」
歩夢さんは自分のバッグの中身を確認し始める。
ただ、先ほどまで濁流を流されていたこともあって──
歩夢「……うーん……。……やわらかい“きのみ”はほとんどダメになっちゃってるかも……」
持っている“きのみ”の多くがダメになってしまったようだ。
しずく「あ、あの……歩夢さん、本当に大丈夫ですから……」
歩夢「あ……そうだ!」
歩夢さんは何かを思いついたらしく、ぽんと手を叩いて、バッグの中から何かの箱を取り出した。
歩夢「よかった……ケースの中身は無事みたい」
しずく「それって……“ポフィンケース”ですか?」
歩夢「うん♪ “ポフィン”はポケモンのおやつだけど……少し貰っちゃおうかなって。はい♪」
そう言いながら、ケースから“ポフィン”を取り出し、私に薄黄色の“ポフィン”を手渡してくれる。
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