855: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/10(土) 16:13:56.90 ID:hRdoaDre0
「──グラァッ!!!!」
しずく「トドグラーに……進化した!?」
歩夢「! これなら……! トドグラー、お願い!」
「グラーー!!!」
進化して、パワーアップしたトドグラーは、濁流の中でも私たちをぐんぐん引っ張って──どうにか岸へとたどり着いたのだった。
💧 💧 💧
歩夢「エースバーン、“ひのこ”」
「バース」
歩夢さんのエースバーンが集めた枝に火を点けてくれる。
歩夢「これで……ちょっとはあったかくなるかな」
しずく「はい……あったかいです」
水に浸かっていたせいで完全に冷え切ってしまった身体を、焚火が温めてくれる。
私たちは、あの後どうにか岸に上がり、川から少し離れた場所にあった大きな木陰の下で雨宿りをしていた。
歩夢「……結構流されちゃったみたいだね」
歩夢さんは図鑑のタウンマップを確認しながらそう言う。
しずく「すみません……私が不甲斐ないばっかりに」
私はしゅんとしてしまう。
しずく「歩夢さんまで巻き込んでしまって」
歩夢「…………」
歩夢さんは無言で立ち上がって、
しずく「……歩夢さん……?」
私の目の前にしゃがみこみ──そのまま、私のことをぎゅっと抱きしめてきた。
歩夢「……そんな悲しいこと言わないで……私たち、友達でしょ?」
しずく「歩夢……さん……」
歩夢「しずくちゃんが困ってたら……助けるよ。……だから、巻き込んだなんて言わないで欲しいかな……」
しずく「……ごめんなさい……」
歩夢「……もう言っちゃダメだよ、そんなこと」
しずく「……はい」
私が謝ると、歩夢さんは私を離したあと、頭を撫でてニコっと笑う。
1002Res/2130.98 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20