852: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/10(土) 16:11:39.76 ID:hRdoaDre0
かすみ「わー!? 雨、降ってきちゃったぁ!?」
「ガゥゥ…」
侑「本降りになる前に急ごう……!」
「イブィッ」
侑先輩たちは大急ぎで手持ちをボールに戻して、10番道路を駆け出す。
私も、サーナイトとジメレオンをボールに戻す。
ボールに戻して──今しがた姿を変えたサーナイトのボールをまじまじと見つめてしまう。
しずく「…………私も……侑先輩みたいに、思えたら……」
──小さく独り言ちる。
歩夢「しずくちゃん……?」
そんな私の呟きが聞こえたのかどうかはわからないが、歩夢さんが足を止めて、こちらに振り返り、
歩夢「大丈夫……?」
ととっと近付いてきて、私の顔を心配そうに覗き込みながら訊ねてくる。
しずく「あ、いえ……すみません! なんでもないんです……!」
歩夢「そう……?」
咄嗟に誤魔化すものの、歩夢さんはやはり心配そうに私の顔を見つめている。
かすみ「しず子〜! 歩夢せんぱ〜い! 何してるんですかぁ〜!? 早く行きますよ〜!!」
しずく「あ、う、うん!! 歩夢さん、行きましょう!」
歩夢「……うん」
歩夢さんの視線から逃げるように、私はかすみさんたちを追って駆け出した。
歩夢「…………」
💧 💧 💧
──10番道路は長い道路だ。
二つの大きな都市に挟まれている割に、自然豊かで様々な種類のポケモンが生息している。
また東側を上流とする河川も流れていて、道路の中腹辺りには橋が架かっている。
多少勾配はあるものの、基本的には歩きやすく、多種多様なポケモンとの邂逅を求めて、多くのトレーナーが訪れるそうだが……。
かすみ「ほ、本降りですぅぅ〜〜!!!」
「ガゥ、ガゥガゥッ!!!!」
今日みたいな土砂降りだと、話は変わってくる。
私たちはバッグからレインコートを取り出して、ぬかるむ道を疾走中だが……かすみさんだけは何故か、レインコートを羽織っていない。
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