846: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/10(土) 02:52:48.93 ID:hRdoaDre0
エマは……本当に私をよく見てくれていたようだ。
そして、それは……私も。
最初は、そんなつもりはなかった。……こっちの人と仲良くするつもりなんてなかった。……情が湧いてしまうから。
なのに、エマはどんなにあしらっても、私の傍に居て……笑ってくれた。
いつの間にか、エマは──……私にとって、大切だと思える存在になってしまっていた。
だから、私は……エマは……エマだけは……巻き込みたくなかった。
私はここまで、自分を殺して頑張ってきたつもりだ。……一つくらい、わがままを言ってもいいんじゃないか。
だから、
果林「……エマ」
エマ「……ん」
果林「何も言わずに……私と一緒に……来て……」
気付けばそう、言葉にしていた。
エマ「……」
果林「貴方は私が守るから……だから……」
私の言葉を受けてエマは、
エマ「……ごめんね」
そう言って、首を横に振った。
果林「……」
エマ「わたしね、この町が大好きなの。牧場も、牧場の人たちも、牧場のポケモンたちも、大好きなんだ。だから、今ここから離れることは出来ない……」
果林「エマ……」
エマ「だから……果林ちゃんとは一緒にいけない」
果林「……そっか」
エマ「……ごめんね」
果林「……こっちこそ、ごめんなさい。変なこと聞いて」
エマ「……うぅん」
果林「……」
エマ「……あ、果林ちゃん、おかわりよそうよ? 食べる?」
果林「……ええ、お願い」
エマ「……うん♪」
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