844: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/10(土) 02:51:31.93 ID:hRdoaDre0
私はエマの作ってくれたクリームシチューを食べながら、お礼を言う。
エマ「えへへ♪ 今日のはね、搾りたての“モーモーミルク”で作ったんだよ♪」
果林「ふふ♪ この前も同じこと言ってたわよ?」
エマ「でもね、でもね! 今日は特別ミルタンクの元気がよくてね! お乳の出もすっごく調子がよかったから、きっといつもよりもおいしいよ!」
エマは幸せそうに笑いながら、シチューを口に運び、
エマ「ん〜、ボーノ……♪」
一口食べるたびに、もっともっと幸せそうに笑いながら、つぼめた指先を唇に当ててキスをする。
彼女の生まれ育った国における、すごく美味しいということを表す仕草らしい。
果林「ふふ」
エマ「んー? どうかしたの、果林ちゃん?」
果林「エマっていっつも幸せそうに食べるから……見てる私もなんか嬉しくなっちゃっただけ」
エマ「えへへ♪ だって、おいしいものを食べてると幸せになるんだもん♪」
エマが嬉しそうに笑っていると、
「チャムー!!」「ヤンチャー!!!」「チャムチャム!!!」「チャムチャー!!」「ヤンチャムッ!!」
ヤンチャムたちが、空になったお皿を持って、エマの足元に群がってくる。
果林「こら、貴方たち……まだエマがご飯食べてるんだから……」
エマ「うぅん、大丈夫だよ。ヤンチャムちゃんたちもおかわりが欲しいんだよね? すぐによそってあげるね♪」
「チャムー!!」「チャムチャー」「ヤンチャ!!」
果林「いつもごめんなさいね……」
エマ「うぅん、わたしも好きでやってるだけだから♪ この子たちを連れて来たのも、わたしだし!」
果林「そういえば、そうだったわね……」
このヤンチャムたちは……ある日突然、エマが私にくれたポケモンだった。
もうずいぶん昔のことのように感じる。
果林「ねぇ、エマ」
エマ「ん〜?」
果林「……いつも、ありがとう」
エマ「ふふ、どうしたの?」
果林「ここに来てから……私はずっとエマのお世話になりっぱなしだっただから……」
エマ「そんなことないよ、果林ちゃんもわたしのこと助けてくれたもん♪」
果林「……そんなことあったかしら」
……心当たりがない。
エマ「あったよ? 私がここに来て1年くらいのとき……ケンタロスが暴れて逃げ出しちゃって……それを果林ちゃんが止めてくれたんだよ!」
果林「ああ……初めて会ったときのことね」
エマ「うん! そのときね、この地方にはこんなに優しい人がいるんだって、すっごく嬉しくなっちゃって!」
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