833: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/09(金) 12:38:16.47 ID:9oar5n900
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それからというもの、
菜々「ああ……そこは一旦“まもる”で時間を稼いで……」
真姫「あの子……またいる」
彼女をよくこのバトル場で見かけることが多くなった。
真姫「また来てたのね」
菜々「あ……こんにちは……」
彼女は相変わらず、沈んだ声音で独り言を呟きながら、バトルを観戦していた。
何度かこの子を観察していてわかったのは……恐らくこの子は毎日ここにきている。
恐らくというのは、他の仕事で、ここに訪れるのが少しでも遅れるとこの子には会えないからだ。
滞在時間は恐らく10〜15分ほど……1試合見るか見ないかくらいで、帰ってしまう。
真姫「ねぇ、貴方」
菜々「……なんでしょうか」
真姫「いつもここに来てるけど……観戦しかしないのね」
菜々「……私は……ポケモントレーナーではないので……」
真姫「……興味はないの?」
菜々「……あります。……ありますけど……私は、ポケモントレーナーに……なれなかった……。……なっちゃ……いけなかった……」
最初からなんとなく勘付いてはいたけど……どうやら訳アリらしい。
真姫「貴方、名前は?」
菜々「……知らない人には名乗るなと……親からきつく言われています」
真姫「……ごめんなさい。貴方の言うとおりね。自分から名乗りもしない相手に、名前なんて教えられないわよね。私は真姫。ローズジムのジムリーダーよ」
こちらから、名乗ると、
菜々「……え?」
少女はこちらを向いて、目をぱちくりとさせる。
菜々「……ジ、ジムリーダー……?」
真姫「嘘じゃないわよ。ほら、このとおりローズジム公認の証の“クラウンバッジ”も持ってるし」
ポケットから、ジムバッジを取り出して見せる。
菜々「じ、ジムバッジ……! 初めて見ました……!」
彼女はバッジを見ると目を輝かせる。
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