810: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/08(木) 10:29:34.81 ID:S2FBcmzU0
善子「やっぱり私……不幸な堕天使なのね……」
曜「うーん……図鑑と最初のポケモンが1組しかないからかなぁ……」
善子「たぶんね……」
図鑑を貰って旅に出るとき、ポケモン図鑑と最初のポケモンは3組あるのが普通だ。
でも、私の手元にあるのは1組のみ……。
善子「やっぱり、最初のポケモンを選べないってのが、よくないのかしら……」
曜「まあ、一番最初の楽しみみたいなところあるもんね……」
善子「そうよね……」
今から、あと2組手に入れる……? いや、それこそ無理よ……。1組揃えるだけで、どれだけ大変だったか……。
曜「鞠莉さんに相談してみたら?」
善子「それは絶対嫌」
曜「はぁ……意地張らずにお願いすればいいのに……」
善子「絶対嫌よ……」
半ば強引に飛び出してきて独立したのに、なんやかんやあって、研究所を建てる際にも……頼んでもいないのにマリーが半ば強引に話を付けて研究所設立のお金を貸してくれたりして……。
そのお陰でどうにか自分の研究所を建てることが出来たようなものだったし……。
結局、私はあの人の世話になってばかりなのだ。
マリーは面倒見がいいし、お願いすれば、最初のポケモンどころか、ポケモン図鑑も工面してくれるかもしれない。
だけど……それじゃ、いつまで経っても私はマリーの腰巾着。あの人の隣になんていつまで経っても立つことが出来ない。
曜「なら……めげずに探し続けるしかないんじゃないかな」
善子「……わかってるわよ……」
机に突っ伏したまま、窓の外をちらりと見ると──まるで今のヨハネの気持ちを表したかのような、曇天に包まれていた……。
これは一雨来そうね……。
😈 😈 😈
善子「──あーもうっ!! やっぱり降られた……!!」
ずぶ濡れになりながら、マンションの自室に駆け込む。
玄関でびしょ濡れになった靴を脱いでいると、
「ムマァ〜ジ♪」
ムウマージがタオルを持ってきてくれる。
善子「ありがとう、ムウマージ……」
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