806: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/08(木) 10:25:07.54 ID:S2FBcmzU0
ヨハネ博士がそう訊ねると、
「ワォン」
ルガルガンは私の目の前で、伏せの姿勢を取る。
善子「許可が下りたみたいね」
侑「あ、ありがとうございますっ!!」
膝を折って、ルガルガンを優しく撫でてみると、柔らかい毛並みの感触が手に伝わってくる。
侑「こ、これが、あの伝説のルガルガン……私触っちゃった……! か、感激……!」
歩夢「ふふ、侑ちゃん、よかったね」
侑「うん……!」
善子「感動してるところ悪いけど……これから、この子を連れてくんだってこと忘れてないわよね? そんなテンションじゃローズまでもたないわよ……?」
侑「だ、大丈夫です! 責任持って送り届けます!」
善子「なら、いいんだけど。ルガルガン、戻りなさい」
「ワォン──」
ヨハネ博士はルガルガンをボールに戻して──
善子「それじゃ、千歌のルガルガン……確かに渡したからね」
ボールが私に手渡される。
侑「……はい!」
ぎゅっとボールを握りしめる。千歌さんの大切なルガルガン……責任を持って送り届けなくちゃ……!
かすみ「それはそうと〜……ヨハ子博士〜」
善子「? 何かしら」
かすみ「かすみん、昨日ジム戦すっごい頑張ったんですよ〜」
善子「そういえば、曜とジム戦をしてたんだったわね」
かすみ「ホントに激闘の末の勝利だったんですよぉ〜」
善子「そう」
かすみ「……」
善子「……えっと、なに?」
かすみ「もう! せっかく、自分のところから旅立ったかすみんが頑張ったのに、労いの言葉もないんですか!」
善子「あのねぇ……私は学校の先生じゃないのよ……」
かすみ「むーー!! ヨハ子博士のケチ!! 減るもんでもないんだし、褒めてくれてもいいじゃないですか!」
善子「かすみ、貴方は応援がないと頑張れないの?」
かすみ「頑張れませんっ! かすみんは人から応援されるのがパワーの源なんですっ!」
「ガゥガゥ」
ゾロアと同調しながら、ぷりぷりと文句を言うかすみちゃん。
そんなかすみちゃんを見てヨハネ博士が溜め息を吐く。
善子「はぁ……先が思いやられるわ……」
「──こら、善子ちゃん! そんな風に言っちゃダメでしょ!」
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