797: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/07(水) 12:27:19.05 ID:0Ok5BWPG0
悲鳴をあげる暇もなく、ジュカインもろとも海に投げ出される。
視界が真っ青な海に包まれ、周囲にはかすみんたちが落ちた衝撃で、大量の泡が舞っていた。
かすみんは咄嗟に、ジュカインを探して周囲を見回す。
水の中のせいで、見えづらいけど……ジュカインは思いのほか近くにいた。
どうやら幸いなことに、同じ方向に飛ばされてきていたようだ。
少しだけホッとする。かすみんは、そのうちマンタインが助けに来てくれるけど、ジュカインは場所がわからなければ、狙い撃ちにされちゃうし……。
いや、その心配は居場所がわかったところでそんなに変わっていない。
どうする……。考えている時間はそんなにない。すぐに決断しないと──
普通のカメックスの攻撃だったら、斬り裂けたけど……メガカメックスの攻撃は“リーフブレード”じゃ、斬り裂けない。
じゃあ、どうやって攻略する……。
どうにか、策を巡らせるけど──あまりに相手のパワーが大きすぎる。
思わず水中で天を仰いでしまう。
天を仰ぐといっても……ここは海の中だから、海面が見えるだけなんだけど……。
見上げた海面からは──太陽の光が差し込んできていた。
幻想的な風景だった。
真っ青な世界の中に差し込む──太陽の、光……。
……太陽の光。
そうだ、“リーフブレード”で足りないなら、もっと強い刃を用意するしかない。
──“ソーラーブレード”。
ジュカインの切り札と言ってもいい、最終奥義。
かすみんは泳いで、ジュカインの肩に掴まる。
かすみ「──」
「──」
水の中、お互い声は出せないけど、目を見つめ合って、気持ちを交わし合う。
ジュカインはコクリと頷き、陽光の下へと泳ぎ、ソーラーエネルギーのチャージを始める。
恐らく──チャンスは1回。
斬り裂ければ勝ち。出来なければ負けだ。
チャージをしながら──ジュカインは自分の足元に“タネばくだん”をいくつか漂わせる。
“タネばくだん”によるロケットスタート──準備は万端……行きますよ……!
💧 💧 💧
しずく「かすみさん……」
メガシンカの圧倒的なパワーを前に、かすみさんたちは海に放り出されてしまった。
ただ、私たちはあくまでオーディエンス。見守るしか出来ない。
曜「やば……威力強すぎて、浮島ごと吹っ飛ばしちゃった……」
「ガメェッ!!!」
曜「ま、いいや! カメックス!」
「ガメッ!!!」
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