757: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/05(月) 14:44:13.12 ID:6bHKz0F20
そんなに前のことじゃないはずなのに、なんだかこうしてベランダで話すのも懐かしい気持ちになってくる。
そう思っていたのは歩夢も同じだったようで。
歩夢「ふふ♪ なんだか、そんなに前のことじゃないのに、懐かしい気持ちになっちゃうね♪」
そう言って笑う。
歩夢「侑ちゃん、お部屋で何してた?」
侑「ポケモンたちと遊んでた」
歩夢「ふふ、私と同じだね♪」
侑「旅で出会ったポケモンたちが、自分の部屋にいるのはなんか不思議な気分だけどね」
歩夢「そうだね。……私たち、旅してきたんだね」
歩夢は空を見上げながら、しみじみと言う。
歩夢「ちょっと前まで……旅してる自分を全然想像出来なかったんだけど……」
侑「そうだね……」
歩夢「旅に出たら、やっぱり戸惑うことばっかりで……大変だなって思うこともいっぱいあったけど……」
侑「うん」
歩夢「旅に出てよかったって……思ってるよ」
侑「なら、よかった」
歩夢「侑ちゃんが居てくれたお陰だよ♪」
侑「それはこっちの台詞だよ。歩夢、いつもありがとう」
歩夢「えへへ……なんか、照れちゃうね」
歩夢は嬉しそうにはにかむ。
そんな歩夢を見て、今かなと思った。
侑「ねぇ、歩夢」
歩夢「?」
侑「実は、歩夢にプレゼントがあるんだ」
歩夢「え、プレゼント……?」
侑「歩夢のお陰で旅が出来て、歩夢のお陰で毎日が幸せだからさ……そのお礼というか」
歩夢「そ、そんな……感謝してるのはこっちだよ……! それに私、何も用意してないし……」
侑「私が歩夢にあげたいって思っただけだからさ。受け取って欲しいな」
そう言って、私は上着のポケットから、小さな小箱を取り出して歩夢に渡す。
歩夢「……開けていい?」
侑「もちろん」
歩夢がゆっくりと小箱を開けると──
歩夢「……わぁ♪ 可愛い……♪」
中から、桃色の花飾りが顔を出す。
1002Res/2130.98 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20