758: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/05(月) 14:45:53.91 ID:6bHKz0F20
侑「さっき、夕飯の買い物に行ったときにたまたま見つけて……歩夢に似合うと思ってさ」
歩夢「ありがとう、侑ちゃん……♪」
歩夢はそう言いながら、早速花飾りを着けて見せてくれる。
歩夢「……どうかな?」
侑「ふふっ。やっぱり私が思ったとおりだ。すっごく、よく似合ってるよ♪」
歩夢「えへへ……ありがとう……///」
歩夢は照れ臭そうに笑う。
侑「この旅をしててさ……私、歩夢の知らないところ、たくさんあったんだなって思ったんだ」
歩夢「そうなの?」
侑「うん。だから、ケンカもしちゃったし……」
歩夢「あ……そうだね……」
侑「あ、でも、あのときケンカしちゃったことは、今となってはよかったって思ってるよ。ちゃんとお互い思ってることを言い合えたから」
歩夢「侑ちゃん……。うん、私もそう思うよ」
侑「だからさ、その……なんていうか……。これから先、もしかしたら、また気持ちがすれ違っちゃうこととか、一緒にいられないことが、あるのかもしれないけど……」
歩夢「……うん」
侑「……私はいつでも、歩夢を大切に思ってる。そんな気持ちを込めたから……何かあったら、その花飾りを見て、思い出してくれたら嬉しいなって……」
歩夢「侑ちゃん……。……うん、わかった」
歩夢が優しい表情で笑い返してくれる。本当に心の底から、私の言葉を受け止めて笑ってくれているんだって。
なんだか、それが妙に気恥しくて、
侑「……そ、それじゃ、そろそろ明日に備えて寝ないとね///」
思わず、話を切り上げてしまう。
歩夢「ふふっ♪ そうだね♪」
くすくすと笑いながら言う歩夢。
なんだか、今の私の気持ちを見透かされているみたいで、余計恥ずかしくなってくる。
歩夢「おやすみ」
侑「う、うん、おやすみ! また明日!」
半ば逃げるように、部屋に戻ろうと踵を返す。
歩夢「侑ちゃん」
侑「?」
歩夢「私の侑ちゃんへの想いも、ずっと変わらないから……安心してね」
侑「……うん、ありがとう」
──なんだかこそばゆい気持ちだけど、今日は良い夢を見られそうな気がする。
ふと見上げた夜空では、旅していたときと変わらず、月明りが優しく私たちを照らしていたのだった。
1002Res/2130.98 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20