731: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/04(日) 12:17:40.07 ID:iC9FggQ30
かなり我武者羅に羽根をバタつかせながら、頑張っていたけど……。
「カ、カァ……」
最終的には無理だと悟ったのか、ゆっくりと下に降りてくる。
かすみ「半分いけたくらい?」
しずく「そうだね……」
ここが今の私の手持ちの限界ということだろう。
もちろん、垂直の壁を登ったらそれで終わりというわけではなく、そこから山脈が始まるから、今の実力ではどう頑張ってもクリフを超えるのは無理ということだ。
「カァ…」
しずく「ごめんね、無茶振りしちゃって。でも、ナイスファイトだったよ、アオガラス」
「カァ〜……」
かすみ「鳥ポケモンでこんなんなのに、越えられる人なんているのかな……?」
しずく「きっと、進化してアーマーガアになれば、越えられると思う」
かすみ「そうなの?」
しずく「うん。アーマーガアに進化すると、飛翔高度も距離も、飛び続けられる時間も桁違いになるから」
実際ガラルでは、アーマーガアが地方全体の移動の要になっているくらいで、その飛行能力は折り紙付きだ。
しずく「アオガラスも、いつか進化したら、ここを越えられるようになるはずだから……! 頑張ろうね!」
「カァ〜〜〜!!!」
かすみ「えーかすみんも空の旅したい〜!」
しずく「ふふ♪ いつかオトノキ地方中の空を、一緒に巡ろっか♪」
「カァ〜♪」
かすみ「やった〜! 約束だからね! しず子! アオガラス!」
しずく「うん♪」
「カァカァ♪」
そのためにも、私もアオガラスをアーマーガアに進化させられるくらい強くならなきゃ。
かすみさんに負けていられないな。
かすみ「さて、それじゃ……実際に見て、越えられないこともわかったし、セキレイシティに向かおっか〜」
「ガゥ♪」
しずく「そうだね。風斬りの道を越えていくなら、自転車が必要だから……一旦、ダリアに戻って、レンタルサイクルかな……」
「カァ〜」
かすみ「……あっ!?」
しずく「ど、どうしたの? 急に大きな声出して……?」
かすみ「最終的にセキレイシティに行くってわかってたんだから……最初から、ダリアで自転車を借りればよかったんじゃ……」
しずく「……あ」
確かに、言われてみればそうだ……。
かすみ「ち、ちょっとぉ〜……かすみん、走り損じゃないですかぁ〜……しかも、これからまた長い道を戻るの〜……?」
しずく「走ったのはかすみさんが勝手にやったことだと思うんだけど……」
かすみ「もうやだ〜……かすみん、歩けない〜……」
「ガゥゥ…」
かすみさんはその場にへたり込む。
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