717: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/03(土) 12:09:08.41 ID:ogLreJcM0
歩夢「朧月の……洞……?」
女の子「ええ。それと、ピィを助けてくださったようで、ありがとうございます」
歩夢「えっと……」
助けたのか、助けられたのか……ここはどこで、目の前の子は誰なんだろう……?
疑問だらけで、頭の中がこんがらがりそうになる。
女の子「順を追って説明をしましょう。……とりあえず、場所を移したいのですが……立てますか?」
歩夢「あ……うん……」
ゆっくりと立ち上がってみせると、目の前の女の子は一度小さく頷いてから、
栞子「私は栞子と言います。こちらへどうぞ」
そう名乗ってから、奥へと歩いていく。
私はその後ろを付いていく形で歩を進める。
「シャボ」「ピィ」
サスケとピィも私に付いてくる。
私が眠っていた部屋からちょっと歩くと、開けた部屋に出た。
そこには──
「ピッピ」「ピピッピ?」「ピッピプ〜」
歩夢「ピッピ……?」
たくさんのピッピがいた。
ピッピたちの群れを見た瞬間、
「ピィ」
ピィがピッピたちの群れに向かって、とことこと駆け出していく。
「ピピッピ?」「ピピピ」
「ピィ」
「ピピップ」「ピッピ」
何やら話をしながら、ぴょこぴょこと飛び跳ねている。
栞子「あのピィは群れで一番幼い子でして、時折勝手に外に遊びに出かけてしまうんです」
歩夢「は、はぁ……」
栞子「外は、身を守る手段の乏しいピィには危険な場所なので、行かないように言っているのですが……やんちゃで言うことを聞かないことが度々あって……」
歩夢「あの……外、って言うのは……」
さっきも言っていた、外とか、どこでもない場所、とか……。
栞子「そうですね……ここは、特別な結界の中にある場所……と言えば、少しはわかりやすいでしょうか」
歩夢「結界……?」
栞子「そう、結界……。外の世界とは隔絶された、特別な空間」
歩夢「……」
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