713: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/03(土) 12:06:20.28 ID:ogLreJcM0
歩夢「ごめんね、びっくりさせちゃったみたいで……」
「ピィ」
ゆっくり近付くと、ピィはおとなしく私を待ってくれている。
出来るだけ大きな音を立てないようにして近付き……ピィの目の前にしゃがみこんで、声を掛けてみる。
歩夢「こんばんは。私、歩夢」
「ピィ」
歩夢「あなたは……龍神様の遣いさんなの?」
「ピィ?」
ピィは私の言葉に小首を傾げる。
歩夢「って言ってもわかんないか……」
人間の作ったお伽噺でそう言われているだけだもんね。
歩夢「あなたはここに住んでるの?」
「ピィ?」
歩夢「それともここじゃないどこかから来たの?」
「ピィ」
歩夢「あはは、よくわからないや……」
「ピィ」
手を伸ばして、優しく撫でてみる。
歩夢「よしよし♪」
「ピィ♪」
ご機嫌に鳴くピィ。
触れるし……本当に目の前にいるのは確かだ。
でもデータ上、ピィがここには生息していないというのも恐らく事実なんだと思う。
嘘を言う理由がないし……。
そうなると、普段ピィは人目に付かない場所にいるってことになるけど……。
歩夢「あなたは普段どこにいるの?」
「ピィ?」
そう訊ねると、ピィは、
「ピィ…」
月を見上げる。
歩夢「お月様から来たの……?」
「ピィ」
歩夢「……やっぱり、この子……龍神様の……?」
確証はないけど……やっぱり、なんだか不思議な感じがする。
ただ、しばらく撫でていたら、飽きてしまったのか。
「ピィ」
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