712: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/03(土) 12:05:27.71 ID:ogLreJcM0
ピィの姿はないし、鳴き声のようなものも聞こえない。聞こえるのは、私の言葉に相槌を打ってくれるサスケの鳴き声くらい。
歩夢「やっぱり……見間違いだったのかな」
結構自信あったんだけどな……。
ちょっとしょぼんとしてしまう。
でも、見間違いだってことがわかっただけでも、すっきりしたかな。
歩夢「早く戻ろっか」
「シャボ」
私が来た道を戻ろうとした、そのときだった。
「──ピィ」
背後から、鳴き声がした。
歩夢「え?」
声がする方に振り返ると、
「…ピィ」
いつの間にか、星型のシルエット──ピィが少し離れた場所にいた。
歩夢「……いた」
「ピィ」
本当にいた……。
ピィは少し離れた場所で、ぴょこぴょこ飛び跳ねながら、踊っている。
何をしているんだろう。
今度こそ、間近で見たくて、私がピィの方へ歩を進めると、
「ピッ!?」
私の足音に気付いたのか、ビクッとして、
「ピピィッ!!!」
逃げ出してしまう。
歩夢「あ、待って……!」
慌てて追いかける。
「ピ、ピィ!!!」
ピィはぴょこぴょこ跳ねながら、岩山を奥へ奥へと逃げていく。
歩夢「待って! ちょっとお話ししたいだけなの……!」
「ピ…?」
私の言葉を理解したのかしていないのか、ピィが足を止める。
1002Res/2130.98 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20