67: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/10/31(月) 10:31:46.34 ID:DPwTRoer0
軽く伸びをしながら、作業に戻ろうとすると──
曜「──ヨーソロー♪ 善子ちゃん、さっきぶり♪」
やかましいのが戻って来たようだ。
善子「もう夜よ。静かにしなさい」
曜「あはは、ごめんごめん」
善子「ジム戦は終わったの?」
曜「うん、負けちゃった。侑ちゃん、きっと強くなるよ」
善子「それは何よりね」
曜「はぁーぁ……でもやっぱ、負けるのは悔しいなぁ。カメックスとなら、負けなかったのに」
善子「当たり前でしょ……もうジムリーダーになって結構経つんだから、慣れなさいよ……」
千歌ほどではないけど、曜も大概子供っぽいところがあるのよね……。
善子「それで、戻って来たのは曜だけ?」
曜「あ、うん。侑ちゃんと歩夢ちゃんは今日はもう遅いから一旦家に帰るってことだったから。ことりさんは二人を送って行ったよ」
善子「そういえば……ことりさんとあの二人、同じマンションに住んでたわね。……んで、何しに来たの?」
曜「む、なんか冷たい言い方だなぁ……せっかく、同期が遊びに来てるのにさ」
善子「本音は?」
曜「……今日泊めて! 明日、サニータウン方面に行かなくちゃいけなくってさ! 私の家、街の北側でしょ? ここからの方が近いから……お願いっ!」
善子「そんなことだろうと思った。いいわよ、適当に二階の部屋でも使って」
曜「さすが善子ちゃん! 持つべきものは優しい同期だね!」
善子「はいはい……あ、でも上でかすみとしずくが休んでるから、うるさくしないでね。あとヨハネよ」
曜「了解であります! ヨハネ博士!」
全く調子いいんだから……。まあ、さすがの曜でも一人で大騒ぎは出来ないでしょう。……たぶん。
曜「ところで、善子ちゃん」
善子「ヨハネ」
曜「善子ちゃん的には期待してる子とかいるの?」
善子「何よ……藪から棒に……貴方も協力してくれたから、知ってるだろうけど、今回のトレーナー選びは慎重に行った分、みんな同じように期待してるわ」
曜「ふーん、そっかそっか」
具体的に言うなら、しずくは座学の優秀さ、頭の良さを重視して選んだ。純粋な優等生タイプ。
逆にかすみは意外性重視。確かに今日みたいな突飛なことをしでかす可能性もあるけど、バトルの成績はそこそこいいし、ポテンシャルは確かに感じる。ちょっとピーキーだけどね。
善子「ただ、そうね……」
曜「?」
善子「強いて言うなら……その3人の中でも、歩夢は特別かもしれないわ」
曜「特別?」
善子「今日、成り行き上ではあったんだけど……あの子たちが研究所から逃げ出したポケモンを捕まえてくれて……」
曜「うん」
善子「……歩夢ね、ミミロルをバトル無しで捕獲したらしいのよ」
正直、侑に話を聞いたときは、冗談かと思ったけど……確かに、ミミロルは掠り傷一つ負っていなかった。
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