621: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/29(火) 13:07:00.57 ID:ULDkry570
エマ先輩が手をふりふりしながら、ドッグランを奥の方へと歩き出す。
そして、その後に付いていくように果林先輩も、歩き出しながら──振り返る。
果林「……それじゃあ、またどこかで会いましょう」
果林先輩は最後にそう残してから、エマ先輩と行ってしまった。
しずく「また、どこかで……えへへ……」
かすみ「ちょっとしず子、何ニヤニヤしてんの」
しずく「べ、別にニヤニヤなんかしてないもん……」
しず子がぷくっと頬を膨らませる。
全く、こんなに可愛いかすみんが傍にいるのに、ちょ〜っと果林先輩がリップサービスしただけで、チョロチョロなんですから……。
👑 👑 👑
果林先輩たちと別れたあと、かすみんたちはのんびりとドッグランを進んでいるところです。
「──クマァ♪」
かすみ「わぁ♪ ジグザグマ、また拾ってきたんですね、偉いですよ〜♪」
しずく「今日はたくさん拾ってきてるね?」
かすみ「平原が広がってるから、見つけやすいのかな?」
この穏やかでだだっ広い場所だからか、今日はジグザグマの“ものひろい”が絶好調です。
かすみ「この調子でたくさん集めようね〜♪」
「クマァ♪」
ジグザグマから受け取った“げんきのかけら”をバッグに押し込む。
しずく「まだ集めるの……? もうかすみさんのバッグ、パンパンだけど……」
かすみ「手に入れられるものは手に入れておいて損はないの!」
しずく「でも、そこまでパンパンだと逆に物が取り出しづらくない? 少し間引いた方が……」
かすみ「ダメ! せっかく、ジグザグマがかすみんのために拾ってきてくれたものなんだから、全部かすみんが使うの! それに『備えあれば嬉しいな』って言うでしょ!」
しずく「それを言うなら『備えあれば憂いなし』ね……。あと『過ぎたるは及ばざるが如し』って言葉もあるんだけど……」
かすみ「ふーんだ、そんなこと言うしず子には、後で必要になっても分けてあげないんだから」
口うるさいしず子に言い返しながら、バッグを背負おうとした、その時──かすみんの足元を、猛スピードで何かが通り過ぎた。
かすみ「わっ!?」
急なことに驚いて、足がもつれる。そしてその拍子に、重いバッグが重力に引っ張られて、かすみんは後ろ向きにひっくり返る。
しずく「か、かすみさん!? もう、言わんこっちゃない……!」
かすみ「いたた……今何かが足元を……」
頭を上げて、何かが通り過ぎて行った方向に目を向けると──白と黒の縞模様をした細長いポケモンが、長い舌を見せながらこっちを見つめていた。
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