610: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/28(月) 12:23:21.07 ID:9EuEq8f90
侑「ここまで……いろんなものを見てきたね」
歩夢「うん。短い間にいろいろあったね」
侑「力を合わせて進んだり……」
歩夢「ケンカもしちゃったね」
侑「そうだね……」
歩夢「でも……今になってみたら、ああやってケンカして、思ってることを言い合えたから、もっと侑ちゃんのこと、理解出来た気がする」
そう言いながら、歩夢は私の手を握ってくる。
だから、私も歩夢の手を握り返す。
歩夢「侑ちゃんと一緒に旅に出られて……よかった」
侑「歩夢……」
なんだか、胸があたたかかった。
空は暗闇の中に浮かぶ星と月だけで、お日様はとっくに沈んでしまっているのに、歩夢の言葉を聞いていると、ぽかぽかとお日様に照らされているような、あたたかさを感じる。
侑「……歩夢はお日様みたいだね」
歩夢「え?」
侑「いつも私の心を、あったかい太陽みたいに照らしてくれる」
歩夢「ええ……? それなら、太陽は侑ちゃんの方だよ! 侑ちゃんの隣にいると、すっごくあったかいもん……侑ちゃんの手も……」
侑「歩夢の手の方があったかいよ。だから、やっぱり太陽は歩夢の方だよ」
歩夢「えー? 侑ちゃんの方があったかいよ」
侑「歩夢の方があったかい」
歩夢「侑ちゃんの方が……」
侑「……っぷ」
歩夢「……ふふ♪」
言い合っているのが可笑しくて、また二人で笑ってしまう。
侑「じゃあ、二人とも、お互いがお互いの太陽ってことで!」
歩夢「ふふ、そうだね♪」
ああ、なんか……いいな、こういう時間。
侑「私……この旅、ずっと続けてたいな」
歩夢「ふふ、そうだね」
リナ『まだまだ、この地方は行ってない場所の方が多い。まだまだ、旅は終わらないよ』 ||,,> ◡ <,,||
侑「……旅を名残惜しむにはまだ早いか」
バッジもまだ半分も集まってないしね。旅はこれからだ……!
漣の音を聴きながら、胸中で決意をしていると、ふと──
侑「……? 何……?」
歩夢「侑ちゃん?」
侑「……何か……聞こえる……?」
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