609: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/28(月) 12:22:36.52 ID:9EuEq8f90
そんな私を見て、歩夢が微笑ましそうに笑う。
ふいに──潮の香りを孕んだ、夜風が吹き抜ける。
歩夢「……風、気持ちいいね」
侑「うん、そうだね」
これだけ自然豊かだからだろうか。空気がおいしくて、こうした何気ない風も、心地がいい。
旅館に戻る前に、もう少し外の空気を感じていたいなと思った。
どうやら、歩夢も同じことを考えていたらしく、
歩夢「侑ちゃん、少し……歩かない?」
侑「うん、そうだね」
私たちは少しだけ、夜道を散歩をすることにした。
🎹 🎹 🎹
「──ブイ、ブイ」
侑「イーブイー! あんま遠く行っちゃダメだよー!」
夜の砂浜を無邪気に駆け出すイーブイに声を掛けながら、私は歩夢とのんびり砂を踏みしめる。
歩夢「夜の海って……綺麗だね」
侑「そうだね……」
夜の水面は、昼のような澄んだ青さこそないものの──真っ暗な境界面に星や月の光を反射して、まるでもう一つ夜空がそこにあるかのような、幻想的な風景を作り出している。
きっと、こんな景色も……旅に出なかったら、見ることはなかったんだ。
侑「歩夢」
歩夢「なぁに?」
侑「私と旅に出てくれて、ありがとう」
歩夢「ふふ。どうしたの、急に?」
侑「歩夢が居てくれたから、私はこうして旅が出来てるんだって思ったら……お礼言いたくなっちゃった」
歩夢「もう……お礼を言いたいのはそれこそ私の方だよ。一緒に旅してくれてありがとう、侑ちゃん」
侑「……あはは♪」
歩夢「うふふ♪」
お互いお礼を言い合っているのがなんだか可笑しくって、今度は二人で顔を見合わせて笑ってしまう。
リナ『二人だけ、ずるい』 ||,,╹ᨓ╹,,||
侑「もちろん、リナちゃんも! いつもありがとう!」
歩夢「リナちゃんがいっぱいサポートしてくれるから、楽しい冒険が出来てるよ♪」
リナ『うん!』 ||,,> ◡ <,,||
セキレイから始まって、ダリア、コメコ、ホシゾラ、ウチウラ……そしてウラノホシと進んできた。
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