603: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/28(月) 12:18:10.82 ID:9EuEq8f90
なるほど、これの確認がしておきたかったってことね。
まあ、確かにある程度示し合わせておかないと、誰かがぽろっと言っちゃうかもしれないしね。
内緒話をしていると、志満さんがとある部屋の前で足を止める。
どうやら、話している間に部屋に着いたようだった。
志満「こちらがお二人のお部屋です。ごゆっくりお過ごしください」
侑「はい、ありがとうございます」
歩夢「お世話になります」
案内してくれた志満さんにお礼を言うと、志満さんは柔らかく笑ってから、「くつろいでいってね」と言葉を残して、フロントの方へと戻っていった。
侑「それじゃ、私たちも早く荷物置いて、戻ろっか」
歩夢「うん、そうだね」
せつ菜ちゃんをいつまでも待たせちゃいけないからね!
🎹 🎹 🎹
侑「──じゃあ、せつ菜ちゃんはよくこの町に来るんだ」
せつ菜「はい! 今回でもう何度目かわからないくらいですね!」
せつ菜ちゃん曰く、この町には頻繁に足を運んでいるようだった。
そんな私たちの会話が聞こえたのか、受付カウンターにいる志満さんから「いつもご贔屓にしてくれてありがとうね♪」との声が。
志満さんが千歌さんのお姉さんだと言うのはさっき聞かされたことだけど、千歌さんにはもう一人お姉さんがいるらしく、名前は美渡さん。
千歌さんは三姉妹の末っ子らしく、次女が美渡さんで、長女が志満さんだそうだ。
侑「それにしても……千歌さんにお姉さんが二人もいたなんて……」
歩夢「ふふ♪ 侑ちゃんはトレーナーとしての部分以外には、なかなか興味が向かないところがあるからね」
侑「わ、笑うことないじゃん……」
確かに歩夢が言うとおり、千歌さんのバトルの腕にばかり目が行っていて、家族についてなんて全然考えたことなかったけど……。
せつ菜「確かにポケモントレーナーとしてだと、千歌さんは突出していますよね。ですが、志満さんもコーディネーターとしては有名な方らしいですよ!」
歩夢「コーディネーターって、ポケモンコンテストの?」
せつ菜「はい! なんでも、現コンテストクイーンのことりさんとはライバル関係だったとか」
侑「ことりさんと……!」
私たちにとって馴染み深い名前が出てきて反応してしまう。まさか、千歌さんのお姉さんがことりさんとライバルだったなんて……世間って思ったより狭いんだなぁ……。
侑「そういえば……せつ菜ちゃんがこの町によく来るのって……」
せつ菜「もちろん、千歌さんにお手合わせをお願いするためです! って、言っても……空振りになっちゃうことも多いんですけどね、あはは」
志満「──千歌ちゃん、本当にたまにしか帰ってこないんだもの……」
私たちが会話をしていると、いつの間にか志満さんがお茶を載せたお盆をこちらに運んで来てくれていた。
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