59: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/10/31(月) 10:16:51.91 ID:DPwTRoer0
イーブイは体を捩りながら、大きな尻尾を振るう。
「ゼ、ゼニ…!!」
曜「おとと、“しっぽをふる”だね」
もふもふの尻尾に怯んだゼニガメはイーブイに噛み付くのやめ、トントンとステップを踏みながら、曜さんの方へと後退していく。
侑「“しっぽをふる”……? イーブイが覚えてるのって“なきごえ”と“とっておき”だけなんじゃ……」
歩夢「侑ちゃん!!」
そのとき、セコンド席の方から歩夢の声。
侑「な、なに!?」
歩夢「そのイーブイ! さっきのゴルバットとの戦闘でレベルが上がって新しい技を覚えてるみたいだよ!!」
気付けば、歩夢はポケモン図鑑を手に持ち、そう伝えてくる。
きっとイーブイのデータを見てくれてるんだ……!
ことり「セコンド席、必要以上のアドバイスはダメですよー」
歩夢「す、すみません……!」
そっか……イーブイが新しい技を覚えたから“とっておき”が使えなかったんだ……!
“とっておき”は他に覚えている技をひととおり使ったあとじゃないと、使うことが出来ない技だ。
つまり──
侑「イーブイ!! 今出来ること全部やろう!!」
「ブイ!!!!」
イーブイが地を蹴って飛び出す。“たいあたり”だ……!
曜「真っ向勝負? いいよ! ゼニガメ、“たいあたり”!!」
「ゼニィ!!!」
──ドン! 2匹が“たいあたり”でぶつかり合う。
「ブイ…!!!」
「ゼニィ…!!!」
お互いの攻撃が相殺して、両者後退る。
いや……。
侑「ちょっとイーブイの方が強い? いけるかも!」
「ブイ!!」
気持ちだけど……ゼニガメの方がイーブイよりも、大きく後退している気がする。
曜「“なきごえ”に“しっぽをふる”が効いてきちゃってるね……」
侑「このまま、押し切ろう! イーブイ! もう一回“たいあたり”!!」
「ブイ!!」
曜「“からにこもる”!」
「ゼニッ!!」
ゼニガメは即座に体を甲羅に引っ込めて、防御姿勢を取る。
防御態勢になったゼニガメをイーブイがそのまま、“たいあたり”で吹っ飛ばすと、ゼニガメは甲羅に籠もったまま、硬い音を立ててバトルフィールドを転がっていく。
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