557: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/25(金) 14:40:04.80 ID:vdkzhBrC0
かすみ「かすみん、誰かからジム戦はスムーズに出来ない呪いでも掛けられてるんですかね……」
「ガゥ?」
……とはいえ、今回に関してはここで待っていれば絶対に来るわけですし、まあいいでしょう。
かすみ「それにしても、コメコのジムリーダーは働き者ですねぇ。ジムリーダーをやってるのに、農業もやってるなんて……」
コメコと言えば、農業の町で有名ですし、かすみんもお料理の買い物をするときは、よくコメコ産のお野菜とか果物とかを選んでいた気がします。
──くぅぅぅ〜……。食べ物のことを考えていたら、かすみんのお腹から可愛らしい音が鳴る。
「ガゥ」
かすみ「お腹空いた……」
やっぱり、何も食べずに飛び出してきたのは失敗でしたね……。
彼方先輩の作ってくれるおいしいご飯を食べて、ジム戦に備えるべきでした。
……なんてこと、今更言っても仕方ないので、今はそこのおにぎり屋さんで買った、塩むすび──豪勢な具を選べるようなお小遣いも残っていない──で我慢します。
かすみ「ゾロアも食べよ?」
「ガゥ♪」
大きめの塩むすびをゾロアと半分こして、パクつくと、
かすみ「……! お、おいしい……!」
「ガゥガゥ♪」
恐らく質素な味だろう思っていた塩むすびは、そんな予想に反して、思わず感想を口にしてしまうくらいおいしかった。
お米一粒一粒がしっかり感じられて、でも硬いわけではなくて、炊き立てのようにふっくらとした食感。
お米特有の風味が口いっぱいに広がり、それでいて炭水化物特有の口に残るような癖もほとんどない。
そんなおにぎりだからなのか、米そのものの味をしっかり感じられて──それを際立たせる絶妙な塩加減。
かすみ「かすみん……こんなおいしい塩むすび、初めて食べました……!」
「──ですよねですよね!! コメコのお米は世界一なんですよ!!」
かすみ「わひゃぁ!?」
──気付けば、知らない人の顔が至近距離にありました。
かすみ「だ、誰ですかぁ!?」
花陽「あ、ご、ごめんなさい……私、花陽って言います……。お米農家をしていて、うちのお米をおいしそうに食べてくれていたから、つい嬉しくなっちゃって……」
かすみ「な、なーんだ……そういうことですか。でも、このおにぎり本当においしいです!」
花陽「えへへ、ありがとう♪」
目の前の花陽という人は本当に嬉しそうにお礼を言ってくる。
かすみ「むしろお礼を言いたいのは、かすみんの方ですよ!」
花陽「かすみんちゃん……? 変わった名前だね?」
かすみ「かすみんちゃんじゃなくて、かすみんです! かすみだから、かすみんなんです!」
花陽「あ、そういうことだったんだね! よろしくね、かすみちゃん!」
かすみ「……」
な〜んか……テンポが狂う感じがしますねぇ……。
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