553: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/25(金) 14:35:47.69 ID:vdkzhBrC0
その発作が具体的にどういったものかはわからないが……未知の毒に侵されている以上、楽観的な状況ではなさそうだ。
遥「今こちらに、もう少し精密に検査をするための機器を送ってもらっているんですけど……」
彼方「どっちにしろ、一旦本部に来てもらって、ちゃんとした設備で精密検査をした方がいいかもしれないね〜……」
しずく「精密検査……。それって、どれくらい時間が掛かるものなんですか……?」
遥「経過観察もあるので……1ヶ月から……最悪1年くらいは見てもらうことになるかもしれません……」
かすみ「1年!?」
遥さんの回答に、かすみさんが悲鳴のような声をあげた。
かすみ「それじゃ、旅は!? 旅はどうするの!?」
穂乃果「……残念だけど、中断してもらうしかないかな」
しずく「……そう、ですよね……」
かすみ「そ、そんな……」
私は穂乃果さんの言葉に俯いてしまう。
とはいえ、起こってしまったことは仕方がない。
しずく「わかりました……私の旅は一旦ここで──」
やむを得ないと、首を縦に振ろうとしたら、
かすみ「ち、ちょっと待ってよ、しず子!! しず子はそれでいいの!?」
かすみさんが、ベッドに手をつくようにして、身を乗り出しながら言う。
しずく「私だって旅を諦めたくはないけど……」
かすみ「じゃあ、諦めちゃダメだよ!!」
しずく「……でも」
かすみ「少なくともかすみんは、しず子が一緒に来てくれなきゃイヤだもん!!」
しずく「かすみさん……」
かすみさんの気持ちは理解出来る。……だけど、
彼方「あのね、かすみちゃん。……かすみちゃんが思ってるよりも、これって重い事態なの」
遥「ちゃんとした設備があれば、ウルトラビースト症の発作が起こったとしても、すぐに治療が出来ます……。なので、しずくさんには本部の医療施設に入ってもらって──」
かすみ「──しず子が旅出来なくなることの方が、重い事態ですっ!!」
説得を試みる彼方さん、遥さんの言葉をかき消すように、かすみさんが大声で反発する。
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