546: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/24(木) 14:34:42.30 ID:ffPGApYk0
侑「歩夢! 私たち──」
歩夢「侑ちゃん……!!」
私が声を掛けようとした瞬間、それを遮るかのように、歩夢が私に抱き着いてくる。
歩夢「侑ちゃん……! 私……私たち……っ……!!」
侑「……うん。……勝ったよ、私たち……」
歩夢「ホントに……ホントに勝ったんだよね……? ……私たち……っ……」
泣きそうな声で言う歩夢に向かって、
ダイヤ「……ええ。正真正銘、貴方たちの勝利ですわ」
ダイヤさんがそう答えながら、こちらに歩いてくるところだった。
ダイヤ「自分のポケモンと、自分のパートナーを信じて戦い抜いた、貴方たちの勝利ですわ」
ダイヤさんは試合中の表情が嘘のように、柔らかい笑顔でそう告げる。
歩夢「は……はい……っ……!」
侑「ふふ……やったね、歩夢!」
歩夢「うん……っ……!」
目に一杯の涙を浮かべながら喜ぶ歩夢のもとに、
「マホ〜♪」「ブイ♪」
試合を終えた、マホイップとイーブイが駆け寄ってくる。
歩夢「マホイップ……イーブイ……ありがとう……っ……。……ラビフットも、ライボルトも、みんなが頑張ってくれたから……私たち、勝てたよ……っ……」
ダイヤ「歩夢さん、勝者がそんな泣いていてはいけませんわよ」
歩夢「す、すみません……っ……」
ダイヤ「……自信は付きましたか?」
歩夢「……はい……っ!」
ダイヤ「それは何よりです」
ダイヤさんは歩夢の返事に満足げな表情をするのだった。
ルビィ「あ、あの……侑さん。聞きたいことがあるんですけど……」
侑「? なんですか?」
ルビィ「最後……よく“あなをほる”……間に合いましたね。……ジムの床板もあるのに……」
侑「ああ、えっと……」
私はイーブイが最後に掘った穴に目を向ける。
侑「炎を凌ぐのに夢中で、ぎりぎりまで気付かなかったんですけど……炎の中でイーブイが躓いたんですよね」
ルビィ「躓いた……?」
侑「それで、気付いたんです」
──『ライボルト、床に向かって“アイアンテール”!』
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